「かぜ」で薬がもらえない?

細菌が抗菌薬に対する抵抗性をもち、薬が効かなくなることを「薬剤耐性」といいます。近年、この薬剤耐性菌が急増している背景から、国は医療従事者に対して『抗微生物薬適正使用の手引き』を公表し、抗菌薬の適正使用を呼びかけることを決めました。

◆抗菌薬(抗生物質)は、感染症の分野において、多くの治療や予後の緩和に有効とされています。しかし一方で、抗菌薬の使い過ぎなど不適切な使用をすると薬剤耐性菌が増加し、将来的に有効な抗菌薬がなくなるというような深刻な事態も懸念されています。

◆厚生労働省によると、この薬剤耐性菌に対して何も対策をとらないままでいると、2050年には全世界で年間1,000万もの人々が死亡するという推計もあるそうです。

◆薬剤耐性対策は国際問題であり、日本では2016年4月に「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が策定されました。同策では、抗菌薬の適応疾患の見直しなどを行い、2020年の抗菌薬使用量を、2013年水準の3分の2まで減らすことを目標としています。

◆『抗微生物薬適正使用の手引き』では、外来の患者数が多く、不必要な抗菌薬処方が多いと推測される、急性気道感染症(いわゆるかぜ症候群)、急性下痢症(感染性の腸炎など)に対して、抗菌薬を原則的に処方しないことを推奨しています。これらの疾患には抗菌薬が効かず、不要な服薬によって副作用のリスクもあることがその理由です。

▽▼▽抗菌薬が効かない病気は?余った抗菌薬はどうする? など▽▼▽

(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子)