遺伝子検査で個別のがん治療も

標準治療のないがんや再発がん、小児がん、希少がんなど一部のがんを対象に、遺伝子検査が保険適用になりました。がん細胞の遺伝子変異を調べることで、薬物療法の治療効果や副作用を予測します。詳しくみてみましょう。

◆2019年6月、がんゲノム医療として「がん遺伝子パネル検査」が健康保険の適用になりました。がんゲノム医療とは、がん細胞の遺伝子変異情報に基づいて、患者さん一人ひとりに合った治療を行うことです。「がん遺伝子パネル検査」は、がん組織を用いて細胞の遺伝子100種類以上を「次世代シークエンサー」という解析装置で一度に調べて、薬物療法の治療効果や副作用を予測するものです。

◆今回、保険適用の対象となるがんは、以下に当てはまるものです。
(1)標準治療がなく薬物療法の対象になる固形がん
(2)標準治療後に進行・再発したがん
(3)小児がん・希少がん(いずれも標準治療が確立していない)
(4)原発不明がん(診断が難しく治療方針の決定に時間がかかる)

◆保険適用で受け付けるのは、厚労省が指定した全国11カ所のがんゲノム中核拠点病院と156カ所のがんゲノム医療連携病院に限られます。1回の費用は56万円と高額ですが、保険適用なら1〜3割負担、加えて高額療養費制度の対象となります。

◆がんは、遺伝子変異を起こした細胞が無秩序に増殖したり、悪性化したりして生じるため、「がん遺伝子パネル検査」によって、どんな遺伝子変異が起きているかを明らかにできれば、より効果的な治療薬を選ぶことができます。裏を返せば、効果が見込めない薬の使用を防げるので患者さんの負担を減らすことにもつながります。

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(監修:医療法人誠医会 宮川病院 内科 宮川めぐみ)