3歳馬と古馬が激突した秋の女王決定戦は、超良血馬ジェラルディーナがG1初制覇を飾った。七冠馬の母ジェンティルドンナの仔として初のG1勝利。良血馬の能力が遂に開花した。

 午前中から雨が強く降り、馬場は重まで悪化。泥も跳ね上がるようなタフな馬場になっていた。掲示板に来た馬は全て外枠勢と、外目のバイアスが効いた馬場状態。前半を60.3-後半60.4とバランスの良い平均ラップだが、馬場状態を考えれば前には厳しいややハイペースだったかとも思える。

 勝利したジェラルディーナは大外を引いて結果的に枠が絶好となった。この馬の戦績を振り返ってみても、同じ阪神で行われた今年の京都記念では、展開不向きな中で良い競馬を見せていたし、前走同距離のオールカマーも快勝。コース適性、距離、馬場、枠順、鞍上の手綱さばき、条件が整い、全てが噛み合った勝利だった。

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強い競馬を見せたウインマリリン

 2着はウインマリリン、ライラックが激戦の末、G1では珍しい同着。このレース3度目の挑戦となるウインマリリンは昨年とは状態が全く違い、完全に復調していた。馬の状態もそうだが、初コンビとなったレーン騎手の立ち回りも絶妙。前を深追いせず、中団やや前目の外を通りながらこれしかないという運びで、最も強い競馬は見せたように思う。遂に勝てるかというところまで来たが、勝ち馬がそれを上回った。

 同じく2着となったライラックは馬場と枠順を味方に好走した。自分の競馬に徹してのレース運びで、1コーナーを後方3番手から。直線勝負で勝ち馬を見ながら、その後をしっかりとついて行き、展開も見事にハマった。兄デムーロ騎手は「柔らかい馬場が良かった」と振り返っており、雨が降ったこの馬場と枠順は非常に大きかった。

 4着のアカイイトは、昨年の勝ち馬でそれなりにG1馬としての格は見せたか。コース適性にタフなレース展開も合っていた印象で、自分なりの走りで直線も大外からじわじわと。現状出し切れる力は見せたように思う。

 5着のナミュールは、結果的に厳しい競馬になってしまったか。スタート後のポジション争いでも1コーナー手前あたりからタイトになっていた。鞍上の横山武史騎手も「3回ほどぶつけられる不利があった」と振り返っており、やや窮屈な競馬を強いられたことが敗因。それでも直線では掲示板まで来ているように能力は確か。昨年暮れ、この春とG1のタイトルまであと一歩で今回も届かなかったが、先々どこかで順番が来そうな感じはある。

枠に泣いた部分も…

 6着に敗れた1番人気のデアリングタクトはこのレースに関しては2枠4番の枠に泣いたという形か。外有利なバイアスの中で、道中も終始外に出すことは出来ず。厳しい立ち回りの中でも6着には押し上げ意地は見せた。

 まさかの14着大敗に終わった秋華賞馬、スタニングローズ。スタートからスムーズなレース運び。やや前目に位置し、後方待機勢に分があったレースだったとしても、流石に負け過ぎという印象も。秋華賞をピークに目に見えない疲れがあった可能性もある。馬自身の状態、厳しい展開、緩い馬場、どれとは掴みづらいものの、敗因は一つではなさそうだ。