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「とても良い感覚をもてている」これはよく耳にされる言葉ではあるのだが、ただこれがセバスチャン・ハーラーから口にされるという意味合いは大きく異なるものだ。昨夏の合宿中に精巣がんが判明して2度手術、さらに4度の化学療法を経て今冬の合宿で練習に汗を流すベテランストライカーは、改めて「この半年間は大変だったけど、でもこうしてまた仲間達と一緒に汗を流せることが嬉しいね。とにかく素晴らしいことだ」とコメント。これほどの早期回復を目にできるのは、ハーラー自身の努力の賜物であり「こういう病気では将来のことはみえなくなるもの。僕としては日々考えながら、クラブが僕に与えてくれた期待に応えるため回復をはかっていく。それだけだった」と述べている。なお練習から離れたのはわずか19日間だけとのことで、「この数ヶ月は本当にいろんなことに取り組んだね。だから今は全てに参加することもできている。この数ヶ月で負けなかったということは素晴らしいことであり、簡単ではなかったけどやりがいがあった。サッカーをすることが何よりも大好きだし、そのために回復したい。その一心だったね。そうじゃないと今季中の復帰もなかっただろうし」と言葉を続けた。
そして現在では、医療スタッフやコーチ陣らと密に連携をはかっていきながら、「練習における負荷に対する反応を見ている」とのことで、「僕にとっての新しい日課は、モニタリングと治療にある。これから数週間、数ヶ月かけて様子をみていくことになるよ。良い感覚がもてているかぎりは、これを継続していくんだ。確かにこれまで多くのトレーニングをしてきたとはいえ、それは実践と同じ負荷というわけにもいかないしね。今後の後退だって決して否定できるものではないよ。」とハーラー。ただそれでも10日にあるデュッセルドルフとのテストマッチ出場にも意欲をみせ「いけるなら当然いきたい。早くピッチに立ちたいから。」と宣言。1月22日のアウグスブルク戦でさえ「可能性はなんだってゼロじゃない。僕に待ったをかけられるのは、監督と医療スタッフだけさ」と意気込みをみせた。「とにかくベストを尽くしたい。初日からそれしか僕の頭にはない。あの南スタンドの前でプレーすること。それが夏に移籍してずっと抱いている夢なんだ」
問題児ブラーフ、イタリアから関心
その一方で同じく昨夏に加入するも、こちらはセカンドチームでわずか7試合の出場にとどまるなど、むしろ競技面で問題を抱えていたジェイデン・ブラーフが、早くも新天地を模索することになりそうだ。加入前に負った十字靱帯断裂からの回復期間もあったとはいえ、20才の若手ストライカーはいまは直接得点に絡むことさえ叶わず、またkickerが得た情報によれば規律違反などもあったようだ。遅刻などで罰金を何度も課せられるも効果はなく、冬季合宿中にも覇気はみられない。そんな中でかつてレンタルで加入していたウディネーゼ、さらにエラス・ベローナなどイタリアからの関心が寄せられており、地元紙ルール・ナハリヒテンでは首脳陣の堪忍袋の緒も切れていることから早くも退団となる可能性は否めない。