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 複数のメディアが報じた情報によればイタリア当局によるチケット販売制限にも関わらず、ナポリ市内には急進的なアイントラハト・フランクフルトのファンたちが、主要鉄道駅に最大400人ほどが到着。警察によってホテルまで護送されたという。しかしながらそれでもフランクフルトのファンを乗せたバスが、報道によればナポリのファンから発火装置によって襲撃されたとのこと。幸い怪我人はでなかった。

 またコリエレ・デロ・スポルトでは500人のドイツ人ファンが確認され、フランクフルトのウルトラスが滞在するホテルは警察によって厳重に警備。また水曜夜の試合の前にはフランクフルトからチャーター機で、180人ほどが到着。水曜日には数百人のフランクフルトファンが市内をデモ行進しており、正午に港のホテル前に集結してナポリ歴史地区の広場まで共に歩いていた。そこでは警察などセキュリティも付き添っており、さらにヘリコプターも上空で待機。

 一方で水曜午後にはフード付きのウルトラスとフーリガンによって、テーブルや椅子などによって警察官が襲撃される様子が動画で映し出されており、少なくとも1台のパトカーが放火。メディアの報道によれば市内の中心地では警察が襲われている。ナポリ市長は暴力行為を非難、SSCナポリの主将ディ・ロレンツォも「挑発行為は避けなくてはいけない」と訴えていたが世界中に残念な映像が出回る結果に。

レシュケ氏「事実関係の徹底的な解明を」

 試合前にフランクフルトのレシュケ取締役は「およそ150人のナポリの側の人たちがその広場にやってきて、私たち関連のものに攻撃してきたようだ。そこでは多くの火器類も使用されており、比較的長い対峙となったようだよ。メディアでは燃やされる警察の車両もあった」とコメント。ただ警察側はまだ誰に責任があるのか判断はついていないようで「私たちの側が警察を攻撃したのかどうかもよくわかっていない。警察側も関係したファングループにも怪我人が出なかったことは何よりだ。しかし徹底的に事実関係を調査しなくてはならない。」

 前回フランクフルトで行われた初戦では9人が拘束されるなど安全面での不安がみられたとして、ナポリ市はフランクフルトファンへのチケット販売差し止めを請求。それはフランクフルト側の異議申し立てによって覆ったのだが、さらにナポリは今度はフランクフルト市内に住む人々のチケット差し止めを要求しており、アレクサンダー・チェフェリンUEFAは「イタリア当局がドイツ人のファンを許可しないことは受け入れられない。こういうことが常態化しないように対策を講じていかなくてはならない」と語っていた。レシュケ氏はこのような政令だけで更なる対策も講じず暴動を防ごうとしたことに疑問を投げかけている。

フランクフルト、ドイツサッカー連盟から罰金命令

 その一方でドイツサッカー連盟はアイントラハト・フランクフルトに対して、6万3000ユーロの罰金を命じる判断をくだした。これはブンデス第15節に行われた1.FSVマインツ05とのアウェイ戦において、フランクフルトの一部のファンが試合前に無理やり侵入を試みており、その際に職員2名が負傷。さらに試合中には合計38基の発火装置が使用されていたことも併せて発表している。なおフランクフルトはすでに今季だけで4件もの罰金請求を受けており、その合計金額はブンデスリーガ最多となる36万6100ユーロにまで及ぶ。