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 土曜午後に行われた1.FSVマインツ05とのホーム戦では、11年ぶりとなるブンデスリーガ優勝へ王手をかけながらも、その千載一遇のチャンスを活かしきれず痛み分けに終わってしまった、ボルシア・ドルトムント。その失意はまさにはかりしれないものがあり、関係者のみならず昨日のロイスはじめ、フメルス、ブラント、ヴォルフらもその心境とこれからの巻き返しを強く誓っていた。そして何より試合後も帰途につくことなく選手たちに声援を送り続けたファンたちの反応にもみてとれるように、このテルジッチ/ケール体制の初年度においてクラブを結束させるという点での成功を収めていることは間違いないだろう。

 あとはこの虚無感を乗り越えてこれを大きなモチベーションに変え、そして昨シーズンのエルリング・ハーランドの退団などにも代表されるチーム再編成をこの夏も、既に退団が発表されたマフムード・ダフードとフェリックス・パスラック、ラファエル・ゲレイロ、アンソニー・モデスト、そして売却候補とされるトーマス・ムニエやニコ・シュルツ、そしてレアルとの合意報道も流れたジュード・ベリンガムも含めて、その穴をあまりある形で埋めていかなくてはならないのだ。そのため本日火曜日には具体的な新シーズンの向けた話し合いが行われることになる。

 例えばゲレイロやシュルツの左SBにはグラードバッハからフリーとなるラミー・ベンセバイニ獲得が既定路線をみられ、またベリンガムやダフードの中盤についても、ベンセバイニと同様にCBとしてもプレー可能なボランチ、アヤックスのエドソン・アルバレスへの強い関心も報じられているところ。攻撃面に関してはマインツ戦でデビュー戦を飾った、今冬獲得ジュリアン・デュランヴィルのパフォーマンスは大いに今後の楽しみにさせるもので、またプレー面のみならずリーダーシップという点では、昨夏に獲得したニコ・シュロッターベックやニクラス・ズーレ、2年目のグレゴール・コーベルらも好印象だ

 特に先日1年延長したとはいえ現主将マルコ・ロイスの出場機会の減少も考慮しつつ、例えばマインツ戦のように存在感を発揮できない際にもそのカバーを念頭に入れていかなくてはならない。これまで様々な苦難を乗り越えてきたロイスだが、今回のショックはあまりに大きく2日が経過して、インスタグラムにファンへすぐに感謝の気持ちを伝えられなかったことを謝罪。「皆の胸に飛び込めないほど完全に壊れてしまっていた」と述べつつ、「でも示してくれたその反応は、僕に何のために戦う価値があるのかを改めて認識させるものだった。ありがとう」と強く逆襲を誓っていた。

元主将マルセル・シュメルツァ、U17のコーチとして復帰か

 『Ruhr Nachrichten』と『Sport 1』などの報道によれば、マルセル・シュメルツァー氏がボルシアドルトムントU17の、アシスタントコーチとして参加することになるようだ。35歳の元ドイツ代表サイドバックは、現在コーチングライセンスを取得中。

 2005年に1.FCマグデブルクからドルトムントのユースに加入し、その後にセカンドチームを経て、2008年に当時のユルゲン・クロップ監督に見出されプロ昇格。それ以降は通算258試合に出場し、ブンデス優勝2度。ドイツ杯優勝3度を達成。2013年にはチャンピオンズリーグ決勝の舞台にも立っており、2021/22シーズンをもって現役生活にピリオドを打っている。