この夏にユベントス ・トリノは9年連続でスクデットを獲得したものの、わずか1年でマウリツィオ・サッリ監督と別れ、監督としては未経験の、ライセンスを取得して間もないアンドレア・ピルロ氏の招聘を決断。そのリスクの高さはアグネリ会長も承知の上だ。

 確かに周囲からは王者ユベントスの「ピルロが敗れることに期待している」声もある上に、「監督としての経験もそうだが、それと同じく彼には十分な準備期間も手にすることができなかった」と指摘するように、コロナ危機による日程調整の影響を受けた上に、モラタやキエーザといった新戦力の加入も滑り込み。そのためアグネリ会長は「冷静さ」を強調する。

 確かにイタリアのサッカー指導者協会ウリヴェリ会長が「長年取り組んできたコーチの多くよりも、彼はサッカーのことをよく知っている。とても勤勉で、非常によく調べていて、しっかりと準備ができているよ」と指摘するように、彼の世界的MFとしての華々しいキャリアを振り返れば、いかにサッカーに精通している人物であるかは一目瞭然だ。

 ただそれでもミラン時代の長年の盟友であり、現在はナポリで監督を務めているガットゥーゾ氏は、現役選手としての経験以上のものが求められることも強調しており、「この仕事は難しいよ。キャリアでの成功だけでは不十分だ。積極的に勉強して、努力を積み重ねていかないといけないもの。寝不足になるくらいにね」とコメント。

 しかしながらピルロ監督自身も、そういった自らのタスクをしっかりと理解しているところであり、「この素晴らしい役職を任せてくれたことに感謝する」とUEFAに対して語った同氏は、「選手よりも監督としての方が難しいものだ。外から介入することしかできないのだから」と説明。むしろ重圧は現役時代からお手のものであり、ロナウドから「皆の模範」とリスペクトを受ける新指揮官は新戦力、そして若手たちの伸び代へ期待感を示した。