実際のところ、エディン・テルジッチ氏の前には、数多くの選択肢が提示されていた。ファヴレ監督の退任劇からチームを立て直し、最終的にはタイトル獲得とCL出場という目標を達成して見せた38歳の指揮官に対しては、ドイツや英国のクラブからのオファーが届き、またドイツサッカー連盟からは代表チームのACとして迎え入れることが検討されていたと言われる。

 しかしながら全てを熟考していく中で、常に思い続けていた「ドルトムントからは決して離れない」というその一点へと辿り着いた。だがクラブ側が当初思い描いていた、ローゼ新監督のACという立場ではなく、むしろテクニカルティレクターとして2025年までの契約を締結。果たしてその役割とは、いったいどういったものなのか?

 具体的には、チーム作りのプラニングに関与し、新加入する可能性のある選手との連絡を取り、トップチームとユースセンターとの間を橋渡し役を担い、レンタル移籍中の選手たちとのコンタクトもとって、更にkickerが得た情報によればヴァツケCEO、ツォルクSD、ケール有資格部門担当、そしてアドバイザーのマティアス・ザマー氏を含む会議メンバーにも名を連ねる模様。

 つまりは「自分の経験を活かせるような仕事内容」で「私のクラブであるここにとって、何が最も価値のあるものなのか。それが最終的にこの職務を受ける後押しとなった」というように、これまでのユース監督、スカウティング、AC、トップチームの監督という経験を融合させた、つまりは当初の予定の『ローゼ監督のAC』ではなく、『ツォルクSDとケール有資格部門担当のAC』になったと解釈できるだろう。