日曜の夕方、キッカーではバイエルン・ミュンヘンの内部関係者の1人に、マタイス・デ・リフトの移籍についてユベントス・トリノと合意に達したのかとの質問を投げかけ、そこで「イエス」と非常に簡潔な返答がなされた。22歳のセンターバックはこれからミュンヘンにてメディカルチェックを受けたのち、基本金7000万ユーロと成果に応じたボーナス1000万ユーロを加味する形で迎え入れることになる。なぜバイエルンはそこまでした、オランダ代表ディフェンダーの獲得にこだわり続けたのだろうか。

 その答えはおよそ2週間前にキッカーとのインタビューの中で、オリヴァー・カーン代表が説明した言葉に集約されている。「基本的には我々は、センターバックのクオリティには非常に満足している。しかしながらリーダーシップ、檄を飛ばす、存在感という点においてはまだ改善の余地があるとも思うんだ」つまりダヴィド・アラバがレアル・マドリードにフリーで移籍して以来、バイエルンではセンターバックで声高に指示を飛ばす、いわば守備の要となる存在が欠けているということ。

 リュカ・エルナンデスは屈強なディフェンダーであり、ダヨ・ウパメカのはミスは気になるところだが大きなポテンシャルを秘めた選手。ニクラス・ズーレはボルシア・ドルトムントに移籍しており、ベンジャマン・パヴァール自身は一皮剥けて守備の要を目指したいところだがクラブ首脳陣の期待値はそこまで高くはなく、昨季のバイエルンの守備陣は総じて物腰の柔らかいタイプの選手が揃っていた。その点でデ・リフトの獲得はその点での不足部分の解消につながることだろう。そしてGKノイアー、守備的MFキミヒ、攻撃的MFミュラーという軸が形成されることになるはずだ。

 2019年にもバイエルンが獲得を目指し最終的にユベントスに移籍していた同選手は、名門アヤックス・アムステルダムにて18歳にしてすでにキャプテンの責務をエリック・テン・ハフ監督から任させた経験をもち、これはクラブ史上最年少の記録だ。またフィジカル的な存在感は際立っておりい、空中戦についても同様。肩の手術やコロナ感染などでユベントスの期待に応えきれない部分もあったが、アヤックス時代での実績も含めてまだまだこれを土台に構築できる若手選手でもある。一方でバイエルンではクリス・リチャーズ、そしてベンジャマン・パヴァールかタンギー・クアッシ、ダヨ・ウパメカノのうちの1人についても売却に動く可能性があるだろう。