リッチェル(富山市水橋桜木、蓮池浩二社長)は、個人向けネット通販の配送体制を強化する。単品注文への対応に特化した「上市配送センター」を上市工場(上市町正印)内に開設し、11月にも本格稼働させる。売上高に占める割合が年々高まっているネット通販の小分け発送を上市配送センター、卸など大口向けを本社配送センターで役割分担して効率を高め、需要増に対応する。 上市工場の塗装工程だったスペースと倉庫の一部を、約4千万円を投じて改装する。15人体制で、約1500種類の製品を扱う。自社直営のウェブサイトで受け付けた個人からの注文に対応し、単品もしくは複数種類の製品を詰め合わせたケースでの発送を担う。今月中に着工し、10月下旬に完成させる計画。 同社は、自社サイトでペットや園芸、ライフケア、乳幼児向けなどのプラスチック製品を販売。注文を受けた場合、製品を送った外注先から個人宛てに発送している。上市配送センターの稼働により、発送に伴うコストを削減する。 現在、売上高に占めるネット販売の比率は、店頭と比較すると1〜2割程度にとどまる。だが近年は急な伸びを示しており、5年前の4倍に達した。 同社は、今後もネット販売の比率と受注の増加を見込み、専用の配送センターを設けることにした。本社のセンターは大口向けとし、作業を分けることで効率化する。個人向け販売の体制を整え、さらなる業績拡大につなげたい考えだ。蓮池社長は「世の中と消費者ニーズの変化に合わせ、メーカーも変わっていかなければならない」と話している。■スマホ普及で市場急成長 16年は15兆1000億円 ネット通販を含む国内電子商取引市場は、拡大を続けている。経済産業省の調査によると、2016年の市場規模は、前年比9・9%増の15兆1千億円に拡大し、10年の7兆7千億円からほぼ倍増した。うち物販に関する分野は前年比10・6%増の8兆円だった。 経産省は、この間のネット利用者数がほぼ横ばいで、個人消費そのものも大きく伸びていないことから、市場拡大の要因として取扱商品の多様化やスマートフォンの普及などを挙げている。 ネット通販の拡大を受け、宅配便も増加傾向にある。国土交通省によると、16年度に配達された宅配便は前年度に比べ7・3%増の40億1861万個と過去最高を更新した。今後も増える見通しという。(経済部・池亀慶輔)