台風5号は8日、県内を通過して日本海へ抜け、ゆっくりとしたスピードで北東に進んだ。台風が県内を通過したのは2004年9月以来。山間部を中心に強い雨が降り続け、五箇山は午後11時までの24時間降水量が142ミリに達し、8月の観測史上最大を記録した。9日夜までに温帯低気圧に変わる見通しだが、速度が遅いため影響が長引くことが予想され、富山地方気象台は土砂災害や河川の増水などに注意を呼び掛けている。 台風5号は8日午前3〜6時ごろに県内を通過。午後11時までの24時間に上市町東種で177ミリ、立山町あし峅寺で175ミリ、南砺高宮で137・5ミリの降水量が観測された。同気象台と県は、南砺市に土砂災害警戒情報を出した。最大風速(最大瞬間風速)は南砺高宮9.8メートル(17.7メートル)、富山8・7メートル(15・5メートル)、泊8・9メートル(14・3メートル)、高岡(伏木)5・1メートル(9・7メートル)など。 台風5号は本州に沿うように北東に進み、9日夜までに秋田県付近で温帯低気圧に変わるとみられる。9日の富山県内は曇りの見通しで、午後6時までに予想される24時間降水量は多い所で東部100ミリ、西部80ミリ。最高気温は富山、高岡とも31度を予想している。■交通機関に乱れ 台風5号の通過で県内は8日、強い雨に見舞われ、交通機関に影響が出た。 JRの特急列車は北陸と関西を結ぶ「サンダーバード」と北陸から米原・名古屋方面へ運行する「しらさぎ」の計53本が運休し、JR城端線でも上下線で普通列車29本の運転を取りやめた。 富山地方鉄道は立山線立山駅の雨量計が1時間25ミリ以上の規制値に達したため、有峰口−立山駅間の運転を約40分見合わせた。午後7時15分ごろには、斜面から崩れた土砂が線路近くまで押し寄せ、本宮−立山駅間を運休した。9日は、復旧するまでの間、千垣−立山駅間で代行バスを運行する。高速バスの新潟、大阪線の計3便も運休した。 砺波市では、庄川町金屋の田んぼののり面が高さ3メートルにわたって崩れ、市道をふさぎ、通行止めとなった。9日以降に解除する。国道156号の同市庄川町小牧−庄川町金屋間は連続雨量が規制値の150ミリに達したため、約2・5キロの通行止めとなった。 南砺市安居(福野)では、市道脇の大木が電柱とともに倒れ、道をふさいだ。通行止めとなっており、市が9日朝から撤去を進める。同市院瀬見(井波)では林道の路肩が崩れた。  ■県内風速10メートル以下、なぜ 台風5号が通過した8日の県内は、全ての観測地点で最大風速が10メートル以下だった。台風の中心が通過したのにもかかわらず、風はあまり強まらなかった。富山地方気象台は台風の進路や勢力など、さまざまな要因が絡み合ったとみている。 気象庁は平均風速10〜14メートルを「やや強い風」と定める。最大風速は10分間の平均風速の最大値。この日、近県の福井では平均風速17メートルだったのに対し、県内の観測地点では強い風は吹かなかった。 同気象台は「はっきりとした理由は分からない」としているが、台風が日本海を通って南寄りの風が重なると、県内は暴風になりやすいという。今回は日本海を通らず陸上を進んだため、陸との摩擦で風が強まりにくかったとの見方もある。