■地獄絵の世界ひもとく 企画展「中島潔“今”を生きる—そして伝えたいこと」を開催中の県水墨美術館で13日、立山博物館の加藤基樹学芸員がギャラリートークを行い、展示の目玉である大作「地獄心音図(こころねず)」の見どころを、伝統的な地獄絵の世界をひもときながら語った。 5枚組みの「地獄心音図」は、画家、中島潔さん(74)が4年がかりで完成させた労作。地獄に落ちた亡者が責め苦を受ける様子を生々しく描いている。 加藤学芸員は、江戸初期作「熊野観心十界図」の複製画の前で地獄絵の見方を紹介した後、「地獄心音図」について解説。「伝統を取り入れつつ、中島さんならではの作品を生み出した」と語った。「目」の描き方にも特徴があるとし、「責め苦に遭っている人を、亡者がはたから見ておびえている。傍観する視線は他の地獄絵にはない」と力説した。 熱心に耳を傾けていた立山町榎の村井邦雄さん(65)は「地獄なのにおかしみもあり、オリジナリティーを感じさせる」と話し、高岡市城東の出町知栄子さん(69)は「歴史に基づいて描かれていることがよく分かった」と納得していた。 加藤学芸員のギャラリートークは28日午後2時から行う。 11月5日まで。県水墨美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会主催。