第88回都市対抗野球大会第3日は16日、東京ドームで1回戦が行われ、北信越代表の伏木海陸運送(高岡市)は、JR東日本(東京)に0—3で敗れた。5年ぶり4回目の出場だったが、初勝利は果たせなかった。  伏木海陸運送は、JR東日本の左腕エース・田嶋に1安打に抑えられ、完封された。先発右腕の上野ら投手陣は計11安打を許しながらも要所を締め、守備陣の好守もあって3失点にとどめた。 ホンダ熊本(大津町)は先発の荒西が6安打で完封し、4—0で日本製紙石巻(石巻市)に快勝。ホンダ(狭山市)は木浪が三回に3点本塁打を放って主導権を握り、10—0でJR四国(高松市)に七回コールドゲーム勝ちした。■宮口がチーム初安打 【評】伏木海陸運送はJR東日本のプロ注目左腕、田嶋の前に打線が沈黙した。三回に宮口がチーム初安打を放ち、六回は無死から四球の走者を出したが後続を断たれた。先発右腕の上野は6回で被安打10ながらも粘投し、自責点2。越中や乙野、大野らが好守で盛り立てた。 JR東日本は田嶋が140キロ台半ばの速球と変化球をうまく織り交ぜ、三塁を踏ませない好投。打線は一回に丸子が先制打を放ち、三回は敵失、五回は適時打で加点した。(北崎)■上野 収穫あった99球 収穫のある99球だった。伏木海陸運送の上野は6回で10安打を浴びたが3失点、自責点2とまずますの内容で、先発投手の役割を果たした。 球速140キロ前後の直球に、フォークやカットボールを交えて粘投。「初の東京ドームで緊張した」と言う立ち上がりは先制打の後、2死満塁のピンチが続いたが、内野ゴロでしのいだ。三回は無安打ながらも味方の失策が重なり失点。五回は2死三塁から適時打を許した。失点した回はいずれも1点ずつで切り抜け、大崩れはしなかった。 身長183センチで社会人2年目の23歳は「制球がアバウトだった」と反省しつつ、守備に何度も助けられたことに感謝する。四回は右翼手の越中、五回は一塁手の乙野がそれぞれ頭上を越えそうな当たりを好捕。六回は左翼手の大野が本塁に好返球して追加点を防いだ。 打撃陣の援護はなく、ドラフト上位候補の田嶋投手から宮口がチーム唯一の安打を放っただけ。試合時間は2時間を切った。 上野は「すごく早く感じた。相手投手のことは意識せずに投げた。今後に向けてコントロールを磨きたい」と語った。(東京支社編集部長・北崎裕一)■5500人の大応援団 三塁側スタンドには選手の父母や伏木海陸運送の社員、東京在住の県人ら約5500人が陣取り、大声援で選手を後押しした。 北陸新幹線開業後では初の出場とあって、高岡市では同社や高岡商工会議所などが新幹線ツアーを企画。この日は午前7時ごろから新幹線新高岡駅を順次出発した。同社によると、地元からは約2500人、首都圏からは約3千人が集まったという。 大応援団はチームカラーの緑色の応援用ビニール棒を手に声をからした。敗退が決まった後も、あいさつでスタンド前に集まった選手たちを「よく頑張った」とたたえた。 4番・乙野の父、秀男さん(55)は「悔しさはあるが、立派に戦ってくれた。応援席の皆さんに感謝したい」と話し、主将・田中の父、剛さん(57)は「チームには若いメンバーが多く、いい経験になったはず。今後の伸びが見込める」と語った。 同社元社長の橘慶一郎復興副大臣は「ナイスゲームだった。来年また、この舞台で戦ってほしい」と期待。野上浩太郎官房副長官、堂故茂参院議員らも観戦した。■高橋市長が始球式 試合前の始球式では高橋正樹高岡市長が投手を務めた。伏木海陸運送が前回出場した2012年の大会でも始球式で“登板”しており、2度目とあって慣れた様子。「なんとかミットに届いた。我ながら、なかなかいいボールだった」と自己採点は上々。 応援席には多数の高岡市民らが駆けつけた。「新幹線効果が出ている。大声援を受ければ、選手の気合も一層入るだろう。勝利を期待したい」とエールを送っていた。