関西を拠点とする在阪各局の春の新番組がスタートした。コロナ禍でニュースや生活情報系を重視。若者のテレビ離れに歯止めをかけるべく、教養系やエンタメ系のMCには若手芸人やアイドルの起用が目立つ。(金井恒幸)

 情報番組で注目はNHK大阪放送局の「ニュースきん5時」(総合、金曜午後)だ。「東京から離れた視点で世の中の今を味わってほしい」をコンセプトに、地域の人々や名物に密着。日常風景に根付くトレンドを掘り起こす。

 司会は3月まで「クローズアップ現代+(プラス)」を担当したベテラン武田真一アナウンサーと、吉本新喜劇座長の小籔千豊が務める。2人の掛け合いも注目したい。武田アナは「小籔さんと良いチームで、手応えをつかんでいます」と意気込む。

 9月1日に開局70周年を迎えるMBSは、平日午後を再編成。21年続いた「ちちんぷいぷい」のほか「ミント!」も終了し、「よんチャンTV」をスタートした。

 メインパーソナリティーに河田直也アナウンサーを起用。曜日別にミルクボーイらお笑い芸人、「Lil(リトル)かんさい」らアイドルが街に繰り出すVTR企画がある。ミルクボーイは「散髪屋で流れるような、ほっとできる落ち着いた番組にしたい」と抱負を述べる。

 関西テレビは平日午後に「2時45分からはスローでイージーなルーティーンで」を始めた。番組名通り、「のんびりした時間を」をスローガンとする。日替わりMCとしてアキナやミルクボーイらお笑い芸人が登場。「得する情報」「悩み解決」「料理」「家」など曜日ごとにテーマを設け、芸人がネタを披露する。猪名川町出身のアキナの秋山賢太は「子どもが生まれて父親になったので、自分もいろんなことを勉強したい」。

 読売テレビは「あさパラ!」(土曜午前)を25周年を機に、「あさパラS」にリニューアルする。MCのハイヒールは続投で、パネリストに関西ジャニーズJr.の大学生の4人、アインシュタインらお笑い芸人が並ぶ。神戸学院大の中野雅至教授ら識者も脇を固める。

 ABCテレビは平日夕方の「キャスト」を午後3時45分からと、3分前倒しする。サンテレビは「情報スタジアム4時!キャッチ」を平日午後5時からに変更して「NEWS×情報キャッチ+(プラス)」とし、ニュースコーナーを拡充した。テレビ大阪は「ワールドビジネスサテライト」(月〜木曜)を午後11時から同10時へ移行した。

■NHKニュース報道のエースが大阪に赴任

 今春の番組改編の注目は、NHKニュース報道のエース武田真一アナウンサーの大阪放送局への赴任だ。「ニュースきん5時」のほか、平日午後の「列島ニュース」(総合)にも加わり、新たな「関西ニュースの顔」となる。

 首都直下型地震などの非常事態に備え、NHKは東京本部の代替機能を大阪放送局に期待する。災害報道に携わってきた武田アナの関西着任は機能強化の一環ととらえることができるだろう。

 「きん5時」の初回放送では、小籔千豊の突っ込みに翻弄されながら、それを楽しむ余裕も垣間見られた。これまでの報道番組では見られなかった、武田アナの素顔を見る機会も増えるだろう。

 南海トラフ巨大地震への備えが叫ばれる関西。経験豊富な武田アナから学びたい面は限りなくある。一方で、「クローズアップ現代+」で時折見せた涙のように、人情味あふれる部分も全開にしてもらい、関西に溶け込んでほしい。