故野坂昭如氏の小説や同名のアニメ映画で知られる「火垂るの墓」のゆかりの地を歩く「火垂るの墓を歩く会」が5日、神戸市灘区などで開かれた。参加者は今年改築された御影公会堂(同市東灘区御影石町4)や野坂氏の通った成徳小学校(灘区備後町1)など約2・5キロを歩き、戦争の面影をたどった。

 実行委員会が1999年から毎年開催。空襲で母親を亡くした兄と妹を描いた物語の舞台、神戸・御影と西宮のコースに分けて企画している。

 御影コースには親子連れら約50人が参加。戦禍や阪神・淡路大震災にも耐えた御影公会堂では、案内役の正岡茂明代表(66)が「壁に一部残る黒ずんだタイルは昔からあるもの。建物北側の丸形の窓は空襲前の窓を再現した」と解説した。

 兄と妹の母親が亡くなった「御影国民学校」として描かれた成徳小学校で、正岡代表は、野坂氏自身が幼い妹を亡くしたとし「作品は野坂氏の実体験が半分。あまりにも生々しすぎるので半分は場所や設定を変えた」と説明した。

 息子(4)と参加した東灘区御影中町7の主婦(34)は「息子に映画を見せ、何か感じてくれたらと思う」と話した。(篠原拓真)