8日午前7時半すぎ、男性から「知人が母と妹を殺してしまったと言っている」と110番があった。兵庫県警甲子園署員が西宮市高須町2のUR都市機構武庫川団地に駆け付け、19階の室内で女性2人の遺体を発見した。遺体に刺し傷があったことなどから、同署は殺人事件として捜査している。

 同署によると、2人はこの部屋に住む當麻弘美さん(83)と、長女のリツ子さん(50)。いずれも刺し傷や切り傷があり、布団と畳の上で掛け布団をかぶった状態で倒れていた。部屋の玄関は施錠されており、室内からは血の付いた包丁も見つかった。

 知人は弘美さんの息子(50代)とみられ、通報してきた男性は「知人は、自分も死にたいと話していた」と説明しており、同署はこの知人が何らかの事情を知っているとみて、行方を捜している。

 この家を巡っては昨年10月、リツ子さんとその兄の間にトラブルがあり、同署員が対応に当たったといい、同11月にもリツ子さんから「兄が母親に金の無心をして困っている」と同署に相談が寄せられていた。

 現場は、阪神電鉄武庫川団地前駅から西へ約500メートルの団地が立ち並ぶ地域。近所の住民によると、この日午前6時半ごろに男の叫び声や言い争う声を聞いた人もいるという。同じ団地に住むトラック運転手(61)は「お年寄りが多いマンションで、普段は静か。誰でも入れるところなので、家族も外に出にくくなる」と不安な様子だった。