神戸地検は10日、過労自殺した男性社員=当時(34)=に違法な長時間労働をさせていたとして労働基準法違反容疑で書類送検された西日本高速道路会社(大阪市)と男性の当時の上司ら7人を不起訴処分とした。

 地検は理由を明らかにしていないが、労基法36条に基づく時間外労働の労使協定を超えた男性の長時間労働について上司らが把握していたことの裏付けが難しいと判断したとみられる。

 遺族らによると、男性は2014年10月に同社第二神明道路事務所(神戸市垂水区)に異動。着任当初から時間外労働が月150時間を超え、うつ病を発症し、15年2月に自殺した。同年12月には労災認定された。

 同社は労働組合と時間外労働を月90時間まで延長できる協定を結んでいたが、遺族らは男性の勤務が協定を大幅に上回っていたとして労基法違反を指摘。神戸西労働基準監督署が6月に同法違反容疑で書類送検していた。

 遺族代理人の渡部吉泰弁護士らは「不当な不起訴。検察庁が刑事司法の分野で後ろ向きな姿勢を示すことは過労死問題の解決に向けた機運をそぐ」などとコメントを出した。

 男性の母親は今年2月、長時間労働を放置したとして業務上過失致死容疑で今回の7人を含む計8人を神戸地検に告訴している。