相次ぐ特殊詐欺被害を受け、兵庫県警などが高齢者らの約400世帯に防犯機器を設置し、不審電話について調べたところ、詐欺グループが実際に使ったことのある番号からの着信が多い月で約150回に上ったことが分かった。世帯別の着信回数は不明だが、詐欺グループが頻繁に接触を図ろうとしている現状がうかがえ、県警は「日常的に被害の危険にさらされていることを自覚してほしい」と呼び掛ける。

 調査は、特殊詐欺対策に効果があるとされる「迷惑電話チェッカー」と呼ばれる機器の実証実験として県警と通信業者などが実施。2014年12月〜16年12月、県内の約400世帯に設置して不審電話について調べた。県警によると、実際に機器を使った大規模調査は初めてという。

 迷惑電話チェッカーは、過去に特殊詐欺や悪質セールスなどに利用された約2万5千件の電話番号を「ブラックリスト」として登録し、その番号から電話がかかると着信音が鳴らず、ランプのみが点滅するため受話器を取らずに済む。リストは全国の警察や自治体からの情報を基に自動更新され、最新の不審電話番号が登録される。

 調査では、16年の1年間でブラックリストに登録された番号からの着信は2万3918回で、このうち実際に特殊詐欺に利用された番号からは1082回あった。月別の着信で最多はブラックリスト分が16年6月の2280回で、特殊詐欺関連では同10月の154回だった。調査中に詐欺被害に遭った人はいなかった。

 県警によると、特殊詐欺グループは会社の退職者や学校卒業者名簿などを不正に入手しているとみられる。名簿の大半には自宅電話が記載されており、そのため固定電話にかかるケースが多い。

 県警生活安全企画課は「詐欺グループは電話で言葉巧みに会話を進め、冷静に考える余裕を失わせる。被害を防ぐには、受話器を取らないことが一番」としている。(石川 翠)