2014年8月発生の丹波豪雨から間もなく3年を迎える兵庫県丹波市市島町で、住民有志が協力して治山に取り組む動きが広がっている。豪雨のたびに指摘される流木の危険性を摘み取るために間伐を行い、山を楽しめる場所にしようと、登山道や親睦拠点の整備を計画。林業の衰退や生活様式の変化で、離れてしまった山と人の距離を縮めようと、新たな形で模索が続いている。

 同町上鴨阪では、地元のNPO法人「いきいき前山」が週に1回、間伐と五台山の登山道整備に汗を流している。14年から五台山を地域の観光資源として魅力を高めようと整備に取り掛かったところ豪雨で中断。同年末になって荒れた山の片付けから活動を再開し、現在は針葉樹を間伐して土留め材や階段などに転用して斜面の道を復元している。

 隣接する北岡本地区でも2年前から自治会を挙げて山地整備に乗り出した。放置木の片付けから始まり、針葉樹を間伐して、クルミやヤマモモなど実のなる広葉樹に植え換え、「遊べる山」づくりを目指す。

 両地区とも資金確保として行政などの補助金、間伐材を燃料素材として買い取る「木の駅」制度などを活用。また、危険な作業でもあるため安全講習は徹底する。両地区のチェーンソー講習を担当した木材関連会社「ウッズ」(同市氷上町)の中島彩さん(36)によると、全国100近い自治体が「木の駅」制度を取り入れる中、丹波市のように講習が徹底している地域はまれだという。

 豪雨の教訓が住民を突き動かす一方で、作業は重労働でもあり、高齢化による担い手不足という実情は全国の中山間地と同じ。中島さんは「活動の意義を住民同士で共有することが大切。そのためには助成がある間に人材をどれだけ育てられるかが、活動の輪を広げる鍵」と課題を挙げる。(中西幸大)