神戸親和女子大学の笹倉剛教授(66)=兵庫県多可町中区=が、折り紙の写真と絵を組み合わせた絵本「メイとバーレのたび」(あいり出版)を初めて発刊した。ネコのメイとほうきのバーレが、今まで見たことのない「さかさまの世界」を旅し、異なる価値観の存在に気付いていく物語で、困難な状況に遭遇しても、時間が導いてくれるというメッセージを盛り込む。(長嶺麻子)

 笹倉さんは元数学教諭。兵庫教育大学大学院を修了し、高校や中学校で指導した。その後、県立図書館に勤務することになった笹倉さんは、人事に疑問を抱いた時期もあったが、同僚から薦められた本を読み、絵本の魅力や子どもたちの成長を助ける可能性に開眼。20年ほど前から絵本の研究に取り組んでいる。

 初の絵本作りは、友人が代表を務める折り紙グループの作品展を見たのが始まり。折り紙の素朴さと表現力に魅了された。絵本作りでは物語に合わせ、森の木々やゾウやリス、キリンといった動物、店の並ぶ町並みを折り紙で作り、広い箱庭のように配置して写真を撮った。

 長年の知人で、著名な絵本「あらしのよるに」の作者木村裕一さんは、帯に「折り紙を使ってこんな素敵で奥の深いお話を作るなんて正直『やられた!』って思いました」とのコメントを寄せている。

 絵本は4歳以上を想定。笹倉さんは「幸せから不幸せ、日常から非日常といったさかさまの世界を体験しても、ゆっくりと時間をかけ、歩みが進められることに気付いてもらえたら」と話している。

 絵本は、熊本地震からの復興の願いを込め、熊本県内の図書館40カ所に寄贈する。B5判、カラー32ページ。1620円。近くの書店で注文できる。あいり出版TEL075・344・4505