衆院選は10日公示され、22日の投開票に向け12日間の論戦が始まった。「地方創生を推し進め、景気回復の実感を地方にも」「消費税増税を凍結し、政治家が身を切る改革を」「安倍政権による政治を止め、改憲を阻止」−。兵庫県内の12小選挙区で立候補した40人の第一声からは、各政党の政策や立ち位置の違いが表れた。与野党ともに「経済対策」や「消費税」に関する訴えが大半だった2014年の前回選挙と異なり、多様な対立軸が交錯していることをうかがわせた。


 前回14年は、安倍晋三首相が「アベノミクス解散」と、自らの経済政策を争点に掲げた。県内の第一声では自民、公明の与党候補全員がアベノミクスの実績をアピール。野党候補の多くも「格差を広げた」などと批判の立場から経済対策を取り上げた。今回と同じ立候補者40人のうち、27人が「経済対策」、7人が「消費税」を訴えた。

 一方、今回は安倍首相が北朝鮮問題や少子高齢化を挙げ「国難突破解散」と命名したが、野党側は「森友・加計(かけ)疑惑隠しだ」と指摘。小池百合子東京都知事率いる新党「希望の党」は政権選択を訴えているが、対立軸が定まらない印象も。

 今回、第一声で最も多かったのは「憲法」の9人。うち7人が共産党候補、1人が無所属の「野党共闘」候補で、いずれも9条を中心に護憲を訴えた。6区の希望新人は、9条を含む改憲に前向きな姿勢を示した。

 次いで「政治改革」が8人。いずれも野党や無所属だった。希望の候補が半数を占め、「二大政党制の流れをつくりたい」(3区新人)など政権選択を意識した訴えを展開した。希望と日本維新の会では、議員の報酬・定数削減など「政治家の身を切る改革」も目立った。

 自民、公明の与党候補12人中、最多は「経済・景気」の4人。前回と同様、安倍政権の経済政策の継続を主張し「この流れを止めてはならない」(7区・自民前職)などとした。また「教育費の負担を下げ、年金や介護保険をもっと支援する」(8区・公明前職)、「教育の機会が均等に与えられる国に」(10区・自民前職)と、維新など野党も掲げる教育費の負担軽減を訴える候補も目立った。

 かつて安倍政権の看板政策だった「地方創生」の主張は「東京一極集中からの脱却」(4区・無所属新人)など5人いたが、うち4人は野党だった。