原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定に向け経済産業省と原子力発電環境整備機構(NUMO)が開いた意見交換会で、神戸でも物品などの便宜提供を約束された参加者が動員されていた。福島第1原発事故を受けた兵庫県内への避難者からは「動員に憤りを感じる」と非難の声が上がった。

 NUMOによると、神戸市中央区で2日に開いた意見交換会には69人が参加。開催告知の広告業務などを担った会社が、大学生らの団体に1人当たり5千円相当の物品提供などを持ち掛け、8人が出席した。実際の提供はなかった。

 NUMOや同省から会社側への指示はなかったという。NUMOの担当者は「公平性に不信を招きかねず、管理監督責任を感じている。神戸の会場で(動員した参加者に)発言内容の依頼はなく、議論に影響はなかったと考えている」とし、やり直しは予定していないという。

 神戸の会場では、参加者の男性から「核のごみの処分を進める事業者ではなく、中立的な団体が議論の場を提供すべきだ。このままでは最終的に国民の理解が得られない」とする指摘も出ていた。

 福島第1原発事故で福島県から姫路市に自主避難している女性(44)は「あきれる事態。原発を巡る意思決定の不透明さを感じ、さらに不信を抱く」と憤った。(小林伸哉)