神戸市職員労働組合(市職労)の役員が給与を受けながら組合活動に従事する「ヤミ専従」をしていた問題で、市の2017年度決算案について、市会が25日の議決日に採決しない公算が大きいことが12日、主要会派への取材で分かった。市職労幹部が自席にいないなど不適切な勤務が市会審議で次々と明らかになる中、「給与の過払いが含まれる決算案をそのまま承認できない」というのが理由。議決日に決算案を採決できないのは同市会で初、全国的にも極めて異例とみられる。

 市は閉会日の12月7日までに過払い分を確定させ、今会期中に採決してもらうよう調査を急ぐ。決算は執行済み案件のため、採決が延期されても市民生活に直接の影響はないが、会期をまたぐと、来年度予算案の審議への影響が懸念される。

 神戸新聞社の取材で、現時点で決算案を認定するかどうか判断ができないとしているのは、少なくとも自民、公明、こうべ市民連合の3会派。いずれも決算特別委員会の総括質疑を控えた11日に議員総会で議論し、「総括質疑の市長答弁を踏まえる必要はあるが、給与の過払い額が分からないのでは認定できない」との結論に至ったという。

 市会は15日に各会派の意見表明、16日に同委員会としての意見決定を予定するが、3会派で過半数を占めるため、採決は延期される見込み。12日の総括質疑では、自民会派の質問に、久元喜造市長が「17年度を含む不適正な支出額については第三者委員会に調査を依頼しているが、今会期中に例えば中間報告のようなものを受けるなどして、議会に提出をさせてもらう」と答弁。採決への環境整備に尽力する姿勢を示した。

 市会事務局などによると、給料などが含まれる「職員費」が入った決算議案は16議案。適正なものを含む17年度の給与総額は約773億円となっている。(霍見真一郎)