兵庫県を含む19都道府県は13日、緊急事態宣言の延長期間に入った。自粛が長引くなか、15〜25歳に食料や現金給付の支援をするNPO法人「D×P(ディーピー)」(大阪市中央区)の元には、公的支援から漏れる若者からのSOSが増え続け、4月以降の食料支援は1万1千食分に上る。代表の今井紀明さん(36)=神戸市灘区=は「私たちが支援しているのは、氷山の一角。追い詰められている若者は多い」と指摘する。(高田康夫)

 今井さんは2004年のイラク日本人人質事件に巻き込まれ、バッシングを受けて孤立した。こうした経験を踏まえて12年に同法人を設立し、不登校や中退となった高校生らの自立支援を始めた。3年前からは、無料通信アプリ「LINE」を利用した相談「ユキサキチャット」を続ける。

 「所持金がない」「1日1食に切り詰めている」−。LINEを通して若者から生活困窮の相談が増加したのは昨年4月の緊急事態宣言からだ。東京や大阪、神戸など都市部の若者が多く、同法人は、親に頼ることが難しく、公的支援の網からも漏れてしまっている15〜25歳に、月1万円(最大3カ月)の現金給付や食糧支援を始めた。

 20年の労働力調査によると、15〜24歳の雇用者(役員除く)のうち非正規職員の占める割合は約半数。休業、営業自粛が長引くサービス業などから解雇、雇い止めされた非正規の若者が、生活苦に陥るケースが目立つ。親に頼れず、学費や生活費を自ら稼いでいる大学生もおり、クレジットカードで借金を背負う深刻なケースもある。

 昨年5月〜今年3月の同法人の支援は食料5千食分、現金342万円にもなったが、4月以降はさらに急増。4〜8月の5カ月間での支援は1万1千食分、約600万円になり、毎月、過去最多を更新している状況という。

 今井さんは「緊急事態宣言や自粛要請で、若者の生活はすでに破壊されている。このままの形を進めていくのは無理がある」と指摘する。コロナ禍が長期化するほど、借金がかさんだり、精神的に追い詰められたりして、回復に時間がかかる若者も多く、「誰でも『助けて』と言える社会でなければいけない」と話す。

 ただ、NPOが支援できる件数も限りがある。感染収束が見えない中で、どう支援を維持するかが課題で、月額千円から若者支援に寄付するサポーターを募集中だ。現在約2100人がサポーターになっており、今井さんは「一緒に若者をサポートしてほしい」と呼び掛ける。

 支援方法はNPOのホームページ(https://www.dreampossibility.com)で。