兵庫県議会は定例会最終日の12日、斎藤元彦知事が提出した知事給与を削減する条例改正案を継続審議とすることを賛成多数で決めた。斎藤知事は告発文書問題で元西播磨県民局長(故人)の私的情報が漏えいした問題の責任を取ると説明したが、県の第三者調査委員会が指摘した「知事が指示した可能性」は否定。真相解明を求める県議会との隔たりは大きく、県政混乱の収束はなお見通せない。

 5月に公表された第三者委の報告書は、井ノ本知明前総務部長が県議3人に私的情報を漏えいしたと認定。井ノ本氏ら側近3人の証言などから「(漏えいは)斎藤知事と片山安孝元副知事の指示だった可能性が高い」と結論付けた。報告を受け、県は井ノ本氏を停職3カ月の懲戒処分にした。

 一方、斎藤知事は「指示はしていない」と否定。自らの責任は「管理責任」として、7月から3カ月間、給与カット幅を現行の30%から20%分引き上げ、50%とする条例改正案を提出していた。

 県議会の審議では「知事の指示の有無がはっきりしない中で採決できない」との意見が大勢を占め、12日の本会議では継続審議の賛否が諮られた。県議4人が討論に立ち、第4会派「ひょうご県民連合」の北上哲仁氏が「第三者委の指摘を何ら払拭する努力をしないまま、膨大な個人情報を取り扱う県政のトップを続けるのは社会正義にもとる」と知事の対応を批判し、継続審議に賛成した。

 これに対し、共産党の庄本悦子氏や無所属の丸尾牧氏は討論で「給与カットでの幕引きは許されない」と否決を主張。躍動の会の増山誠氏は「第三者委の報告書は絶対的ではなく、知事の責任は県職員が秘密を漏えいしたことに限られる」と給与削減に賛同した。条例改正案の継続審議の採決では自民党の県議2人が退席したが、継続審議には自民の大半と維新の会、公明党、ひょうご県民連合が賛成した。議会事務局によると、県提出議案の継続審議は初めて。

 斎藤知事は閉会後、報道各社の取材に「今回の条例案が私の身の処し方だ。県議会には引き続き、議決してもらえるよう審査してほしい」と話し、議案の修正や自身の関与に関する追加調査はしない考えを示した。(前川茂之、若林幹夫)