小林聖心女学院高校(兵庫県宝塚市)2年の藤真悠子さん(17)=神戸市東灘区=が、世界レベルのサッカー審判になる夢を追って努力している。今年7月10日までは強豪国ドイツに留学し、小中学生の試合を裁いて腕を磨いた。「ゴールに迫る姿勢に、勝ちにこだわる姿勢。サッカーの楽しさを感じられる」と目を輝かせる。(有島弘記)

 小学2年から選手としてサッカーを続けていた藤さん。審判員を意識したのは、小学6年の2011年にテレビで見た女子ワールドカップ(W杯)だった。澤穂希(ほまれ)さんらの活躍で日本が優勝した後の表彰式で、女性審判員もメダルをもらっていた。「輝いて見えた」。中学3年の夏に選手としての限界を感じ、記憶の中にあったヒロインの後を追うことに決めた。

 兵庫県サッカー協会の審判研修に通い、週末は練習試合に足を運ぶ日々が始まった。「態度で負けない。もし弱みを見せたら強く言われてしまう」と年上や男子相手でも引かなかった。15年には、同世代では全国で約60人という3級審判員(女子)となり、高校2年の16年夏には女子の皇后杯全日本選手権の県予選で審判団の一人に選ばれた。

 その年の秋、高校を休学してドイツへ。現地の高校で言葉を学びながら、小中学生の十数試合を任された。判定に対し、観客席から激しいやじを受けたこともあったが、ひるまずに最後まで試合を裁いた。終了後、文句を飛ばした側のチームコーチから「判定は間違っていなかった」と声を掛けられ、自信を深めた。

 さらなる上達に向け、大学もドイツを目指すという藤さん。「(ドイツ1部リーグなどを除き)ほとんどの試合が1人審判。強豪国のタフなサッカーの中で、全てを一人で判断する力を学ぶことができる」。この道がいつの日か、女子W杯のピッチにつながると信じている。

 兵庫県内の女性審判員で、国内最高峰の女子1級は的崎睦子氏、樽本好美氏の2人(全国54人)。女子W杯をはじめ世界大会を担当できる国際審判員の登録者はない。男子の国際審判員は、長らく国際副審を務めた柳沢和也氏らがいる。