開幕直後から熱戦が続く全国高校野球選手権大会。12日に初戦を迎える神戸国際大付属高校(神戸市垂水区学が丘5)は、兵庫代表としては10年ぶりとなる春夏連続の甲子園出場となる。例年を上回る猛暑の中、兵庫大会7試合を勝ち抜いた強さの秘密はどこにあるのか。学校近くにある野球部の寮を訪ねた。(阪口真平)

 アジとイカのフライ、タイとアジの刺し身、アサリスープ、サラダ…。甲子園開幕が迫ったある日の夜。食堂のテーブルには彩り豊富なおかずが並んでいだ。ただ、何より目を引くのは部員のどんぶりに盛られた山盛りのご飯だ。

 1人当たりの重量は1キロを超える。寮の料理を担当する藤田将行さん(37)によると、1食(50人分)で白米15升を、業務用の炊飯釜で4回に分けて炊きあげる。食堂の保温ジャーは5カ所で、部員がご飯をよそうと、どんぶりに“白米ドーム”が次々と出現する。

 おかずの量も規格外。唐揚げなら鶏肉だけで1食十数キロを揚げる。2年の井上竜則選手は、入学時に61キロだった体重が1年半で69キロまで増えた。最初は食べるのが大変だったと言うが、今では「何でもおいしいので苦じゃない」。藤田さんは「出来たてを提供するためメニューは限られるが、部員が飽きないよう工夫している」と胸を張る。

 この食事が部員の屈強な肉体を支えている。部員が100人を超すため全員は寮に入れないが、1、2年生は数カ月交代で入寮し、食事方法を学ぶ。食べることもトレーニングの一環と明確に位置付けている。

 また、寮での生活は基本的に部員個々の裁量に委ねられる。風呂の順番に学年の差はなく、自分の物は自分で洗濯。朝練習前には割り当ての場所を掃除する。

 3年の後藤貴大選手は入学と共に入寮。母のさおりさん(44)は、後藤選手が初めて実家に帰ってきた時に、自宅でも寮の通り規則正しい生活を送ったことに驚いたという。

 藤田さんの母で、長年寮母も務める八重子さん(69)は「寮生活が成長につながり、甲子園に出てくれた時は、本当にうれしい」と笑顔。どんぶり飯と徹底した自己管理で身に付けた自信を胸に、部員らは夏の夢舞台に挑む。