関学大と日本大のアメリカンフットボールの定期戦で起きた前代未聞の反則行為。ラフプレーで選手が負傷した関学大側は、17日の会見で「日大との信頼関係は完全に崩壊した」と憤った。プレー自体の悪質さに加え、日大の監督らから負傷した選手に直接の謝罪がないことを批判。大学アメフット界を長く引っ張ってきた二つの名門の間に、深い溝が刻まれた。

 「あれを認めたらスポーツでなくなる」「絶対にあり得ない」「同じ指導者として、到底受け入れられない」。関学大の鳥内秀晃監督(59)は会見で語気を強めた。

 同大学の現役選手だった1978年からの4年間、大学王者を決める甲子園ボウルで日大に敗れ続け、指導者を志した。それだけに「日大に勝負できるチームをつくろうとしてきた。いいライバル関係でやってきたが…」と唇をかんだ。

 昨年の同大会では、両大学の29度目の対戦が実現。関学大と日大のチームカラーである「青と赤の対決」として注目される中、日大が制し、17勝10敗2分けとした。鳥内監督は「あの時はクリーンに戦ったと思う。その後、(監督から選手へ)何か伝え方があったのか」と疑念を口にした。

 定期戦での悪質な反則行為について「(アメフットに)40年携わってきて、ああいうのは初めて見た」。日大が当該選手を交代させなかったことに「私なら選手をすぐベンチに戻し、もう試合に出さない。監督にも責任がある」と内田正人監督(62)への不信感をあらわにした。

 全国から注目される深刻な事態に、関学大OBも戸惑いを隠せない。同大学出身で関西学生連盟の山田恒治専務理事(59)は「私が現役のころは日大がずばぬけて強く、そこに勝つことを目指してきた。それほどの相手が何でこんなことを」と信じられない様子。

 1949年の第4回甲子園ボウル優勝メンバーで同連盟顧問の古川明さん(87)も「72年間競技を見てきたが、全く初めての反則で非常に困惑している」とした上で、「関学大が辛抱をして定期戦を放棄試合にせず帰ってきてくれたのは、1人のOBとして感謝している」と後輩たちを思いやった。(藤村有希子、宮崎真彦)