旭川実イレブン

終始、主導権を握った旭川実が静岡学園を撃破!初の8強

 注目のドリブラー渡井理己擁し、優勝候補の一角にも挙げられていた静岡学園(静岡)。大会屈指の攻撃力を持つ難敵を前に旭川実(北海道2位)は苦戦を予想されていたが、蓋を開けてみれば全く逆の展開となった。

 旭川実は開始早々の2分に静岡学園・伊藤稜馬にネットを揺らされてしまうが、その後は強度の高いプレスと統率の取れた守りでリズムを構築。攻めては両翼と2トップのスピードを生かし、ショートカウンターやワイド攻撃で敵陣へと攻め込んだ。とりわけ、目を惹いたのは右サイドを担う中田怜冶の速さ。彼のところにボールが入れば何か起こる予感を漂わせた。9分にはその中田が高い位置でボールを奪うと、一気に右サイドを打開。相手を置き去りにすると、ゴール前にライナー性のクロスを供給する。このボールにタイミングよく走り込んだ2年生10番・西村歩夢が右足でネットを揺らし、直ぐさま同点に追い付いてみせた。

 タイスコアに戻したことで勢いを増した旭川実はその後も攻撃の手を緩めない。最前線の西村がボールを収めて時間を作り、背後のスペースを活用する形で何度も攻め込む。19分には左サイドハーフの山内陸が強引に突破を試みると、ファウルを貰ってPKを獲得。これをボランチの中里颯汰が沈め、難なく試合をひっくり返した。

 後半に入ると、静岡学園が反撃を開始。しかし、「ボランチの中里がゲームをコントロールしてくれた」と富居徹雄監督が振り返ったように、統率のとれた守りで慌てることなく対応していく。さらに前が掛かりになった相手の裏を突き、速攻を仕掛けて前に行く姿勢は忘れない。「どんな相手でも守って凌ごうとは思っていない。攻め切ってチャンスを作る」という指揮官の言葉通りに試合を運んでいった。終始、試合の主導権を握った旭川実。64分にカウンターから途中出場の金野修那が試合の体勢を決める3点目を奪って勝負あり。アディショナルタイムに1点を返されたが、このまま逃げ切って同校史上初のベスト8進出を成し遂げた。

 

(文・写真 松尾祐希)