関東一vs市立船橋

最後まで戦う姿勢を貫いた市立船橋は何とか逃げ切る

 昨年度の総体王者・市立船橋が2年前の総体ベスト4・関東一を迎えた一戦。一昨年、昨年にも夏の大舞台で対決し、その時はどちらも市立船橋が勝利を収めている。3年連続での対決となった両者の対戦だが、試合を左右したのはエースの決定力だった。

 試合は序盤から全くの互角。球際の強さとハードワークをベースにした市立船橋は長谷川凌や平川猛人を軸に堅守を発揮し、相手に付け入る隙を与えない。対する関東一は重田快や村井柊斗などが速さを生かし、相手陣内へと侵入していく。前半25分には佐藤誠也のループパスから小関陽星が絶好機。力んでシュートをバーに当ててしまったが、王者相手に一歩も引かない好ゲームを演じてみせた。

 その拮抗した展開のなか、試合が動いたのは後半の開始早々の4分。試合を通じて、決して多いとは言えない好機を確実ものしたのは王者・市立船橋だった。左サイドで井上怜からのパスを受けたJ2千葉内定の杉山弾斗がドリブルで局面を打開すると、GKとDFの間に絶妙なクロスを配給。このボールに福元友哉が合わせて先手を取ることに成功する。直後の40分にも同様の形から松尾勇佑が中央へと折り返し、再び福元が反応して難なく2点目を奪取。市立船橋が電光石火の攻めで一気に相手を突き放した。

 「2−0までは良かったけど、3回戦の阪南大高戦もそうだったけど、そこから失点をしてしまった」。朝岡隆蔵監督が苦言を挺したように直後に佐藤誠也のミドルシュートで関東一に1点を返されてしまったが、その後は守備陣が高い集中力を維持して相手のアタックを冷静に対処。ゴール前に入られることがあっても、最後のところで身体をぶつけてシュートを打たせない。最終盤には入ると相手がさらに猛攻を仕掛けてきたが、我慢強い守りで凌いでいく。アディショナルタイムにはここでボールを失えば大ピンチというところで、平川が怪我を恐れず球際に突撃。結果としてこのプレーで負傷退場となったが、何とか失点は回避してリードを死守した。最後まで戦う姿勢を貫いた市立船橋は何とか逃げ切り、準決勝行きの切符を手に入れた。

 

(文・写真 松尾祐希)