サムスン電子が今年上半期、3ナノファウンドリ(半導体委託生産)の量産を控えている中、クアルコムとAMDが初の外部顧客になるだろうという観測が出ている。韓国メディア「BUSINESS POST」が報じた。(写真:サムスン イ・ジェヨン副会長)
原文リンク:https://www.businesspost.co.kr/BP?command=article_view&num=282659

アップルとインテルが台湾TSMCとの協力を強化しており、彼らのライバル会社であるクアルコムとAMDはサムスン電子と手を組む必要性が高まっている。

1日、半導体業界によると、クアルコムのクリスティアーノ・アモン最高経営者(CEO)が5月21日「韓米ビジネスラウンドテーブル」に参加し、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長と対話を交わしたことについて、今後の委託生産を念頭に置いたのではないかという解釈が出ている。

サムスン電子はクアルコムの最大顧客企業の一つだ。

クアルコムは半導体設計(ファブレス)企業で、全体売上の50%以上はスマートフォンモバイルプロセッサー(AP)を通じて納めるだけに、世界でスマートフォンを最も多く生産するサムスン電子MX事業部と密接な関係を結んでいる。今年発売されたGalaxy S22シリーズに搭載されるAPのうち75%はクアルコム製品だ。

同時にサムスン電子はクアルコムの主要ファウンドリ協力会社でもある。

クアルコムが設計したAPはTSMCやサムスン電子ファウンドリ事業部が作ってくれるが、最近クアルコムとサムスン電子ファウンドリ事業部の取引量は増加している。クアルコムは今年に発売したスナップドラゴン8第1世代はサムスン電子4ナノ工程に、スナップドラゴン8第1世代プラスはTSMC4ナノ工程にそれぞれ任せた。

その結果、クアルコムは2022年第1四半期にサムスン電子の「5大取引先」として名前を上げたりもした。

ただ、クアルコムはサムスン電子の4ナノ歩留まり(欠陥のない合格品の割合)が期待に及ばず、3ナノ工程はTSMCを優先的に考慮しているという。一部ではすでにクアルコムがTSMCに3ナノを任せたという話も流れている。

しかし、最近はクアルコムがサムスン電子のファウンドリと関係を継続するだろうという見通しが高まっている。

まず、グローバルサプライチェーン問題が長期化する状況でTSMCが工場ラインをアップルに優先的に割り当てる政策を維持しており、TSMCだけではクアルコムが望むだけに十分な生産量を確保するのは容易ではない。また、サムスン電子が主要顧客先という点も考慮せざるを得ないものと見られる。

したがって、4ナノのように3ナノでも一部物量はサムスン電子に、一部はTSMCに任せる戦略を継続する可能性が高い。

クアルコムのアレックス・カトゥジアン首席副社長は5月24日「色々なファウンドリパートナーから半導体を購入するサプライチェーン多角化戦略が半導体不足問題を解決するのに役立った」とし「新型コロナウイルス感染症の中で十分な半導体供給を保障するためにこのような戦略を維持するだろう」と述べた。

AMDがサムスン電子3ナノ工程の初顧客になることもあり得る。

台湾のデジタイムズなど外信から出てくる話を総合すれば、AMDが2023年に披露しようとしていた次世代CPU(中央処理装置)「ジェン5」の発売が2024年や2025年に延期される可能性があるという観測が出ている。

AMDはジェン5をTSMCの3ナノ工程で量産するという計画を立てたが、ライバル会社のインテルがラインを先取りすることで、1年以上待たなければならないということだ。

AMDとしてはTSMCの3ナノ工程ラインが空くのを待ってジェン5発売日程を遅らせたり、以前工程である4~5ナノローゼン5を量産したりする選択肢がある。しかし、両方案とも激しくなっているインテルとの競争で遅れを取りかねないという点で、AMDにとって良い決定ではない。

したがって、AMDはサムスン電子の3ナノ工程も考慮するものとみられる。

サムスン電子はAMDと提携しAP「エクシノス2200」を開発するなど最近協力関係が強化されている。

未来アセット証券のリュ・ヨンホ研究員は「サムスン電子はAMDのGPUノウハウを得られるだけでなく、持続的な協力関係を通じてファウンドリ事業を中長期的に拡張する可能性がある」と予想した。

サムスン電子がテキサス州テーラー市に170億ドル(約2兆1756億円)規模の新しいファウンドリ工場を建設することも、AMDのファウンドリ受注を受けられる要因として浮上している。

AMDの本社はテーラー市に近いテキサス州オースティンにある。

海外IT専門メディアのPCゲーマーは「サムスン電子とAMDの地理的連結は完全な偶然の一致かもしれないが、米国に基盤を置いた最先端ファウンドリ工場が顧客を探すために遠くに行く必要がないという点は明らかだ」とし「台湾は中国と地政学的問題もあるため、一つの製造会社に依存するのは致命的でありうる」と報道した。

著者:コリアエレクトロニクス編集部