最近急浮上している産業である二次電池部門で買収合併(M&A)市場に珍しく大物として登場したイルジンマテリアルズがどの企業の懐に入るか関心が高い。イルジンマテリアルズの負極材用銅箔(薄い銅コイル形態)市場シェアは昨年基準13%で韓国内で2位を占め、バッテリー素材企業が生つばを飲み込んでいる。買収会社によってはバッテリー業界の主導権を掌握することになる。韓国メディア「ソウル新聞」が報じた。(写真:イルジンマテリアルズロゴ)
原文記事:https://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20220610500120

10日、投資銀行(IB)と業界によると、資本力が豊富なLG化学とロッテケミカルが、イルジンマテリアルズの有力な買収候補として取り上げられている。銅箔企業は多くなく、M&A市場にあまり登場しない。

これに先立ち、イルジングループは、イルジンマテリアルズのホ・ジェミョン代表取締役が保有している持分53.5%の売却を公式宣言した。主幹事会社としてシティグローバルマーケット証券が選定され、遅くとも来月に予備入札が行われるものと予想される。

イルジンマテリアルズの時価総額は10日基準で3兆8134億ウォン(約3999億円)、買収資金は経営プレミアムを合わせて3兆ウォン(約3146億円)に達すると業界は推算している。企業の成長性は大きいが、グローバル緊縮期に3兆ウォン(約3146億円)は負担になる価格だという指摘も少なくない。

イルジンマテリアルズの有力な買収候補として一番先に取りざたされているLG化学としては、銅箔を内製化できず、全量外部から調達している。特にLG化学は、LGエナジーソリューションの分社後、バッテリー素材分野の空白を埋めるという計画を立てている。LG化学がイルジンマテリアルズを買収するなら、バッテリー素材の垂直系列化効果が大きい。LG化学が生産するバッテリー素材は、正極材と正極導電材である炭素ナノチューブ、分離膜で、負極材用銅箔が追加されることができる。

しかし、LG化学が参入できない要因の一つとして、サムスンSDIとの関係における再設定問題も挙げられる。イルジンマテリアルズは生産銅箔の半分以上を長期間サムスンSDIに供給しているためだ。LG化学が買収することになれば、LGもサムスンも技術流出の憂慮を払拭できなくなる。

二次電池事業を大幅に強化しているロッテケミカルも有力な買収候補群に含まれる。二次電池に対する意志は強い。ロッテケミカルは正極材・負極材、分離膜、電解液など4大核心素材事業全てに進出し2030年に年間売上5兆ウォン(約5244億円)を達成するという目標を立てているが、まだまだ遠い。分離膜用ポリエチレン(PE)を生産しており、電解液有機溶媒事業にも参入した。しかし、5兆ウォン(約5244億円)という目標を達成するためには、1件が必要な状況だ。昨年、イルジンマテリアルズの売上は6632億ウォン(約696億円)を記録した。

しかし、ロッテグループが銅箔に一歩をかけた状態だというのが買収戦のネックだ。関係会社のロッテ精密化学は2020年、銅箔や電池箔などを製造するソルース先端素材を買収したスカイレイクインベストメントの出資企業として参加した。スカイレイクが投資金回収に乗り出す際、ロッテが有力な買い手に挙げられる状況で、銅箔企業を3兆ウォン(約3146億円)で買収するという見方に懐疑的に見る人も少なくない。

このほか、サムスンSDIや私募ファンド運用会社のアフィニティ・エクイティ・パートナーズなども買収戦に参加する候補として言及される。93兆ウォン(約9兆7530億円)規模のフォルクスワーゲン電気自動車プロジェクトにも参加し、海外企業も参入する可能性がある。

一方、SKグループの場合、銅箔事業1位のSKネクシリスを置いているだけに、買収戦には参加しないものとみられる。実際、SKグループにはティーザーレター(会社紹介書)が発送されなかった。二次電池核心原料の強者であるポスコグループは前日、チェ・ジョンウ会長が「買収に参加しない」と再確認した。

著者:コリアエレクトロニクス編集部