来年初めに発売予定のサムスン電子Galaxy Sシリーズの次期作に搭載されるアプリケーションプロセッサー(AP)をめぐって、論争が続いている。韓国メディア「ajunews」が報じた。(写真:Galaxy S22シリーズ=サムスン電子)
原文記事:https://www.ajunews.com/view/20220715173124270

サムスン電子MX事業部の代表商品であるGalaxy Sシリーズには一般的に同じ会社のシステムLSI事業部が設計した「エクシノス(Exynos)」シリーズとクアルコムが設計した「スナップドラゴン」の最上級製品が発売地域別に分かれて搭載されると知られている。

しかし外信と海外ITアナリストなどを中心にGalaxy S23製品にエクシノスが搭載されないだろうという見通しが出てきており、スマートフォン・半導体業界が同時に動揺している様子だ。

17日、業界によると、IT専門メディア「9to5Google(ナイントゥファイブグーグル)」などの外信は、ITアナリストのグォミンチ氏の発言を引用して、サムスン電子が全てのGalaxy S23製品にクアルコムのスナップドラゴンを搭載するものと見られると、最近報じた。

これに先立ちグォミンチ氏は9日(現地時間)、社会関係網サービス(SNS)を通じて「サムスン電子4nm(ナノメートル・1nm=10億分の1m)工程で製造されたエクシノス2300チップはスナップドラゴン8第2世代チップとの競争で押される」とし「Galaxy S23シリーズに採用されない可能性もある」と話した。

モバイル機器に搭載されるAPはオペレーティングシステム(OS)、アプリケーションなどを駆動させながら複数のシステム装置・インターフェースを統制する機能を一つのチップにすべて含めた半導体だ。

中央処理装置(CPU)とグラフィック処理装置(GPU)などパソコンで核心的な役割をする機能を一つの半導体チップに盛り込んだため、AP性能がスマートフォン製品の競争力を左右すると言っても過言ではない。

これを受け、サムスン電子やアップルなどの企業各社は、主力商品に我先に高性能APを搭載している。しかし、これと同時に相対的にサイズが小さいスマートフォンに高性能チップを搭載しなければならない課題を抱え込むことになったのだ。

このような課題は半導体業界に渡った。ファブレス(半導体設計専門)・ファウンドリ(半導体委託生産)など半導体業界は最新工程をAPに採用し、製品競争力強化に力を入れている。

実際、サムスン電子の「エクシノス2200」やクアルコムの「スナップドラゴン8+第1世代」など、各企業の主力製品は最先端(最小線幅)に当たる4ナノ工程で生産されている。

サムスン電子がGalaxy S次期作にエクシノスシリーズを搭載しないだろうという予測がスマートフォン・半導体業界の皆の耳目を引く理由は「オーダーメード型AP」開発の兆しとかみ合うためだ。

プレミアムスマートフォン市場を牛耳っているアップルの場合、すでにiPhone向けオーダーメード型AP「Aシリーズ」を搭載している。

スマートフォン業界ではサムスン電子が結局、オーダーメード型AP導入を選択肢について悩むしかないと見ている。プレミアム市場でiPhoneに追いつくための「一発」が必要だが、オーダーメード型APが有力な代案の一つであるためだ。

半導体業界のある関係者は「オーダーメード型APを開発するということは、まもなく自社製品に最適化された核心部品を作るという意味」とし「主力商品に搭載される核心部品開発と生産を内製化することは当然すべての企業の指向点だろう」と分析した。

サムスン電子のノ・テムンMX事業部長(社長)も今年3月、職員たちとタウンホールミーティングでGalaxyオーダーメード型AP開発を検討するという意向を明らかにしたことがある。

これと関連して半導体業界のまた別の関係者は「企業ごとに状況と戦略によりオーダーメード型AP導入可否を決めるものと見られる」としながらも「特定製品だけのためのオーダーメード型APと色々な製品との互換性を考慮した汎用APは性能で差が出るほかはない」と説明した。

結局、このような状況を全般的に考慮した時、実際に来年初めに発売予定のGalaxy S23すべての製品にスナップドラゴンが搭載されるならばエクシノスの没落・衰退よりは「息抜き」と見るのが合理的だという主張が力を得ている。

今年初め、Galaxy S22シリーズ発売初期に部品需給に困難を経験し、製品出庫が遅れ、ゲーム最適化サービス(GOS)論難がふくらんだだけに、全体的なサプライチェーンを点検するなど息抜きが必要な時点だという分析だ。

業界では、エクシノスがGalaxyオーダーメード型製品に浮上し、供給量を増やすと同時に汎用製品を並行することになれば、AP市場で影響力を強化することができる。ただしGalaxy専用APが開発されるとしても「エクシノス」というブランドをそのまま持っていくかは確実ではない。

実際、Galaxyオーダーメード型AP開発が行われれば、全社レベルの協力がサムスン電子内の重要な話題に浮上する見通しだ。

エクシノスシリーズの場合、システム半導体設計を担当するシステムLSI事業部の注文を受け、ファウンドリ事業部の半導体ラインを活用して製品を生産する。その後、製品を受け取ったMX事業部がこれをスマートフォンに搭載する。

このようにサムスン電子はスマートフォンAPの垂直系列化を達成したが、3つの事業部が関与しており、オーダーメード型APという勝負手に出るためには事業部間の有機的協力に基づいた「ワン(One)サムスン」が切実だ。

2030年までにグローバル1位を狙うシステム半導体事業と最高級スマートフォン市場の影響力強化が切実なスマートフォン事業の未来を左右するこの決定に各業界の関心が集まっている。

著者:コリアエレクトロニクス編集部