サムスンディスプレイとLGディスプレイが拡張現実(AR)、混合現実(MR)グラス(ガラス)用ディスプレイとして浮上するマイクロ有機発光ダイオード(OLED)を未来の収益源として育成する。マイクロOLEDは、従来のグラス基板の代わりに半導体材料であるシリコンウエハーにOLED素子を蒸着する技術だ。シリコンを基板として使用するという理由でOLEDoS(OLED on Silicon・オレドス)という名前も持っており、日本ソニーや中国BOEなどがマイクロOLEDを少量生産している。韓国メディア「ChosunBiz」が報じた。(写真:LGディスプレイが公開したマイクロOLED=LGディスプレイ)
原文記事:http://thepublic.kr/news/newsview.php?ncode=1065600292614316

31日、ディスプレイ業界によると、サムスンディスプレイとLGディスプレイは2024年の量産を目標に、マイクロOLED生産ラインの構築を計画している。まずサムスンディスプレイは今月28日、今年第2四半期の業績発表カンファレンスコールでマイクロOLEDを開発中だと明らかにした。サムスンディスプレイがマイクロOLED開発計画を公式に明らかにしたのは今回が初めてだ。

サムスンディスプレイのチェ・グォンヨン副社長は未来成長戦略を尋ねる言葉に「液晶表示装置(LCD)からOLEDに転換される流れが情報技術(IT)、自動車、ゲーミング製品に採用されるようOLED長所を極大化する計画だ」とし「未来成長潜在力が大きく極限性能のディスプレイ性能が要求されるメタバース(3次元仮想世界)市場を先取りするためにマイクロOLEDを開発中だ」と述べた。

LGディスプレイも最近、マイクロOLED用蒸着機を発注するなど、マイクロOLEDの量産準備に突入した。LGディスプレイは今年5月、米カリフォルニア州サンホセで開かれた国際情報ディスプレイ学会(SID)でARグラス用0.42インチマイクロOLEDを公開した。同製品は、従来のOLEDの10倍水準の3500PPI(1インチ内に入るピクセル数)超高解像度を実現し、業界の高い関心を集めた。

マイクロOLEDは画面の大きさが小指の爪に当たる1インチ以下(対角線の長さ)大きさのOLEDディスプレイをいう。AR・MRグラスに使われるものと予想され、次世代OLEDディスプレイとして注目されている。AR・MRグラスは画面と目の間の距離が短く、高解像度を小さな画面で実現しなければならない。300~400PPIである既存OLEDとは異なり、マイクロOLEDは3000~4000PPIが要求されるのもこのような理由のためだ。

既存OLEDパネルはグラス(リジッド)またはポリイミド(PI・フレキシブル)基板上にOLED素子を蒸着する方式で製作される。基板の特性上、OLED画素の大きさは40~300μm(マイクロメーター・100万分の1m)に制限される。既存のOLEDパネルはスマートフォンとテレビ向けとして使用するには問題がないが、AR・MRグラスに使用するには適していない。近くで見れば画素間の間隔であるBM(Black Matrix)が目立つ蚊帳現象(SDE、Screen Door Effect)が現れるためだ。既存の仮想現実(VR)ヘッドセットユーザーがめまいを訴えるのもこのような理由だ。

一方、マイクロOLEDは半導体原材料であるウェハーを使用するため、画素サイズを10分の1水準の4~20μmに減らすことができる。目では画素間の間隔を見ることができないという意味だ。また、ウェハー自体の厚さがグラス基板より薄く、パネル自体の厚さを減らすことができる。同時にディスプレイ駆動部品をウェハーに搭載することができ、駆動速度もさらに速くなる。同じ空間にOLED素子をさらに多く加えることができ、高解像度の実現が可能だということだ。

業界はメタバース市場が本格的に始まり、メタバース活用機器であるAR・MRグラス需要も共に増えると見ている。市場調査会社のエマージェンリサーチは、全世界のメタバース市場の売上が昨年の630億ドル(約81兆ウォン、約8兆4360億円)から2026年は4066億ドル(約528兆ウォン、約54兆4455億円)に成長するものと予想した。これに合わせてアップル、メタ(旧フェイスブック)、サムスン電子などビッグテック企業はAR・MRグラス新製品を準備している。

アップルは昨年末、マイクロOLEDを融合させたMR機器を開発していると明らかにした。アップルは新製品に飛行距離測定(TF)などを搭載する計画だ。サムスン電子も次世代MR機器を開発中だという。サムスン電子はスマートグラス用特殊レンズを開発するデジタルレンズにサムスン電機と共に投資したりもした。オキュラスを買収したメタは、ヘッドアップディスプレイ(HUD)を超え、肌触りなど実際と似た感覚を提供できるMR用手袋の発売も準備している。

一方、市場調査会社のオムディアは今年にAR・MRヘッドセット用ディスプレイ出荷量が前年対比73.8%増えた2530万個を記録すると分析した。同時に年平均70%成長傾向を維持しながら2028年には出荷量が1億3900万個を越えることができると見通した。

著者:コリアエレクトロニクス編集部