バッテリーの核心鉱物であるリチウム価格が一人で暴騰傾向を続け、過去最高値を再び更新した。ロシアとウクライナ戦争以後、共に高騰していた他の鉱物価格が次第に下方安定傾向を見せているのとは対照的だ。核心鉱物であるにもかかわらずリチウムより少なく使う三・四元系バッテリーを主に生産する国内バッテリー業界にはまた別のチァンスになりうるという評価だ。韓国メディア「アジア経済」が報じた。(写真:最近2年間の主要バッテリー原料価格推移)
原文記事:https://view.asiae.co.kr/article/2022082809044919476

28日、韓国資源情報サービスなどによると、同日基準の炭酸リチウム価格は1トン当たり6万9259ドル(約9247万ウォン、約953万円)水準で、今年4月、過去最高値を記録した1トン当たり6万8822ドル(約9189万ウォン、約947万円)を上回った。昨年7月まではリチウム価格は1トン当たり1万1652ドル(約1555万ウォン、約160万円)水準で、もう一つのバッテリー核心鉱物であるコバルト(5万500ドル・約6742万ウォン、約695万円)とニッケル(1万8082ドル・約2414万ウォン、約249万円)に比べて最も安かったが、以後最も大きな上昇幅を描いた。現在、バッテリーに入る鉱物の中で最も高い。

最近のリチウム価格の上昇は米国のインフレ削減法(Inflation Reduction Act・IRA)とこれにともなうサプライチェーン再編イシューが牽引しているという分析だ。電気自動車の需要が急増しており、世界のリチウム生産中心地である四川省の電力使用制限なども複合的に作用したものと分析される。世界炭酸リチウム生産の約28%を占める四川省は、約60年ぶりの猛暑に見舞われている。このため、四川省内の電力使用が制限され、一部の生産工場も閉鎖されたという。

このようなリチウム価格の高騰は、韓国バッテリーにはかえってチャンスになりかねないという見方もある。韓国バッテリーメーカーの主力バッテリーであるNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)バッテリーに比べ、中国企業が主力とするLFP(リチウム・リン酸鉄)バッテリーにリチウム価格暴騰が大きな影響を及ぼすためだ。

LFPバッテリーはこれまでエネルギー密度が低いにもかかわらず、バッテリー原価が低くて普及に有利だった。希少金属のコバルトやニッケルの代わりに鉄を使って生産単価を下げることができた。しかし、リチウム価格の高騰により、このような価格競争力が低下しているという評価だ。NCMバッテリーにも電解液にリチウムが入るが、LFPバッテリーには正極材と電解液の両方にリチウムが入って比重がさらに高い。

市場調査機関のSNEリサーチによると、昨年11月「NCM811(ニッケル比重81%以上の三元系バッテリー)」とLFPバッテリー価格はそれぞれKWh当たり63ドル(約8665円)、50ドル(約6877円)だ。26%の格差だったが、今年3月基準では80.3ドル(約1万1044円)と70.6ドル(約9710円)だ。それぞれ27%と41%上昇し、間隔は14%に減った。

バッテリーの種類を決定する正極材に限定すれば、より目立つ。NCM811の場合、同期間の正極材費用は33ドル(約4539円)から42.9ドル(約5900円)に上がったが、LFPは22ドル(約3026円)から38.5ドル(約5295円)に上がった。両バッテリーの正極材価格差が11%まで大幅に縮まったのだ。リチウム価格がそのまま反映された結果だ。

著者:コリアエレクトロニクス編集部