台湾TSMCが半導体受託生産(ファウンドリ)王座の地位を強固にしている。現時点で唯一の対抗馬であるサムスン電子は、既存顧客を相次いでライバル会社に明け渡し、勢いが沈んでいる。サムスン電子は痛恨の結果を受け入れ、先端工程に集中する戦略で勝負する方針だ。韓国メディア「Digitaldaily」が報じた。(写真:世界初GAA基盤3ナノ量産出荷式の様子=サムスン電子)
原文記事:https://www.ddaily.co.kr/news/article/?no=247309

今月20日(現地時間)、NVIDIAは次世代グラフィック処理装置(GPU)「RTX40」シリーズを紹介した。新しいアーキテクチャ「Ada Lovelace」を採用し、前作に比べて性能を約4倍高めた。

注目すべき部分は工程改善だ。「RTX30」シリーズは8ナノメートル(nm)基盤だったとすれば新作は4nm技術が導入された。もう一つの変化は、生産メーカーがサムスン電子からTSMCに変わった点だ。

GPU市場は20兆ウォン(約2兆146億円)を上回るものと推定される。このうち、NVIDIAは80%以上を占めている。NVIDIAの新製品受注を獲得したということは、兆(千億円)単位の収益を確保したという意味だ。これに先立ちTSMCはスーパーコンピューターなどに使われるNVIDIA「H100」の製造も担当することになった。両社間の協力が強化される傾向にある。

サムスン電子が辛酸をなめた理由として、先端工程の信頼性を挙げる。半導体設計から生産、完成品など電子産業全般を扱うサムスン電子は生まれつきファウンドリ市場で不利だが、NVIDIAの場合、品目が直接重ならないため相対的にコラボレーションが容易だった。

ただ、COVID-19局面に入りGPU供給難が触発された中、台湾メディアなどではサムスン電子のファウンドリ歩留まり(完成品中の良品比率)について問題提起したことがある。これをきっかけに、今後の製品で取引条件がより良いサムスン電子の代わりにTSMCを選択したという。

最近、サムスン電子デバイスソリューション(DS)部門のキョン・ゲヒョン社長は、該当内容を一部認めた。彼は「5nmおよび4nm工程はTSMCより開発日程と性能で遅れた」と言及した。

似たような理由でクアルコムもファウンドリ協力会社を変更した。昨年末に発売した「スナップドラゴン8第1世代」をサムスン電子の4nm工程で量産したが、今年5月に発表した「スナップドラゴン8+第1世代」はTSMCの4nmラインを活用した。

業界では今年11月に公開される「スナップドラゴン8第2世代」もTSMCが担当するという見通しが出ている。現実化すれば、サムスン電子は大型顧客2社をそのまま渡すことになる。

TSMCは最大顧客会社であるアップルとの関係が強固で、AMDなどのグローバル企業とも最新工程関連の議論を続けている。このままではサムスン電子との格差がさらに広がる可能性が高い。

四半期ごとに業績新記録を立ててきたサムスン電子のファウンドリ事業は転換が至急になった。
ゲームチェンジャーとして業界で初めて開始したGAA(Gate All Around)基盤の3nm工程が取り上げられている。GAAは最新トランジスタ方式でゲート(電流が出入りするドア)とチャンネル(電流が流れる道)接触面を4つに増やし電力効率を高めた技術だ。既存のフィンフェット(FinFET)構造は3面が触れた。

キョン社長は「3nmに対する顧客の関心が高い。該当部門ではTSMCよりリードできるという話がある」とし「4nm、5nmも性能と価格などを改善する作業を進行中だ。来年末には私たちのファウンドリの姿が今とは変わっているだろう」と強調した。

サムスン電子は単純シェアの増大よりは、最先端工程での競争を通じてライバル会社との格差を縮める計画だ。簡単に言えば技術力を土台に「内容的な1位」を占めるという意味だ。

既成半導体会社でないメーカーを攻略するのも代案だ。これまでインテル、AMD、NVIDIA、クアルコムなどが作ったチップをデータセンターやデバイス企業が受け取ったとすれば、最近のトレンドは内製化だ。汎用製品ではなく、自分たちに特化した半導体を直接開発して使うという趣旨だ。

この過程でサムスン電子は、総合半導体会社(IDM)という短所を長所に昇華している。相対的に半導体経験が足りないグーグル、テスラ、IBMなどに設計を支援しながら生産まで引き受ける方式だ。実際、これらの会社とは地道に協力している。

サムスン電子でシステム半導体の設計を行うシステムLSI事業部との協力も重要になった。独自設計能力を育てると同時に、より大きな顧客会社に生まれ変わることができるからだ。

半導体業界関係者は「ファウンドリ分野でサムスン電子がTMSCと正面対決しては勝てない。特定部門に集中したり内部メモリ、システムLSI力量を活用したりサムスン電子だけの特長を生かしてこそ意味ある競争が可能になるだろう」と分析した。

著者:コリアエレクトロニクス編集部