サムスン電子は今年、厳しい経営環境にもかかわらず、限界のない挑戦と革新を通じて新たに成長していく計画だ。サムスン電子はまず、半導体や人工知能(AI)、次世代通信など、未来の新事業を中心に研究開発(R&D)に邁進し、新たなビジネスチャンスを探し続ける方針だ。韓国メディア「毎日経済」が報じた。(写真:華城キャンパスで製造している3ナノウェハー=サムスン電子)
原文記事:https://www.mk.co.kr/news/special-edition/10588928

サムスンは半導体、新成長情報技術(IT)など(AIと次世代通信)未来新事業を中心に今後5年間450兆ウォン(約46兆7193億円)(韓国国内360兆ウォン、約37兆3754億円・関係会社合算基準)を投資すると昨年5月に発表した。特に差別化された技術力で「半導体超大国」達成を主導し、国家経済発展に貢献する計画だ。

サムスン電子はこの30年間リードしてきたメモリ技術で超格差の地位を強化する。工程微細化の限界を克服できる新素材・新構造に対するR&Dを強化し、半導体微細化に有利な極紫外線(EUV)技術を早期に導入するなど先端技術を先制的に採用する方針だ。すでに昨年10月、EUV工程を採用した14ナノ(nm)DRAM量産を発表し、進んだ技術力を確認した。また、14ナノDRAMの生産にEUV装備を活用するレイヤー(layer)を5つに拡大し、マルチレイヤー工程を初めて使用した。

サムスン電子は高性能・低電力APと5G・6G通信モデムなど超高速通信半導体、高画質イメージセンサーなど第4次産業革命の実現に必須不可欠なファブレスシステム半導体とセンサー中心に技術競争力を確保する計画だ。

サムスン電子は世界で初めてGAA技術を採用した3ナノファウンドリ工程基盤の初度量産を開始した。3ナノ工程は半導体製造工程の中で最も進んだ技術であり、次世代トランジスタ構造であるGAA新技術を採用した3ナノ工程ファウンドリサービスは全世界ファウンドリ企業の中でサムスン電子が唯一だ。

サムスン電子は先立った量産ノウハウを基盤に3ナノ応用先を拡大しており、GAA基盤の工程技術革新を続け、2025年には2ナノ、2027年には1.4ナノ工程を導入する計画だ。

サムスンは未来産業の競争力を左右するAIや次世代通信など、新成長IT分野で研究開発に集中する計画だ。まず、サムスン電子はAIグローバル研究開発力量の確保と基盤生態系構築支援に力を入れている。全世界7地域(ソウル、米国シリコンバレー・ニューヨーク、英国ケンブリッジ、カナダトロント・モントリオール、ロシアモスクワ)のグローバルAIセンターを通じて先行技術研究に乗り出し、人材迎え入れと専門人材育成を推進する。

サムスン電子は次世代通信分野でも研究開発リーダーシップを強化している。次世代移動通信市場の主導権確保のためには、先制的な技術開発と国際標準の先取りへの努力が必須だ。

サムスン電子は、6G核心技術の先取りやグローバル標準化を通じて、通信分野でも超格差を推進する方針だ。

サムスン電子DX部門は事業間の境界を越える統合シナジーを拡大し、未来の新成長動力を発掘・育成することに研究開発力量を集中していく計画だ。まず、マルチデバイスをベースに顧客経験を革新していくという戦略だ。サムスン電子は年間5億台規模の製品を販売しており、差別化されたデバイス経験を提供するのに最適化されている。

サムスン電子は昨年9月、ドイツベルリンで開かれた欧州最大家電展示会「IFA2022」でスマートシングスをモノのインターネットプラットフォームを越えてこれを基盤に創出される個人オーダーメード型マルチデバイス経験全般に拡大すると明らかにした。また、サムスン電子の製品・サービスはもちろん、300余りのブランドが提供する多様な機器まで連結し、より統合された連結経験を提供するという計画だ。

サムスン電子はまた、同年10月に米国サンフランシスコで開かれた「サムスン開発者カンファレンス(Samsung Developer Conference)2022」で多様な機器がより有機的に連結され、ユーザーの状況と意図に合うようにオーダーメード化された経験を拡大すると強調した。

著者:コリアエレクトロニクス編集部