カリスマ情報屋“インフォーマ”とポンコツ記者が、謎の連続殺人事件を追うノンストップ・クライムサスペンス「インフォーマ」が先週19(木)からスタート。
桐谷健太さんが連続ドラマ単独初主演を飾り、佐野玲於さん(GENERATIONS)や森田剛さんなど豪華な顔ぶれと、地上波テレビドラマとしては前代未聞の挑戦的な内容で話題の当番組について、原作者であり監修も務めた沖田臥竜氏に直撃インタビュー!
■そもそも情報屋の話を書こうとしたきっかけは?
藤井監督と作品を撮ってるときに、「こういうメディアの動きがあるで」という話をしたり、記事には出ないような面白い話をしたりしている中で、藤井さんが、自分のやっていることを「映像化できないですか?面白くないですか?」と言ってきてくれたことがきっかけです。
藤井さんは他でもこういう話をしているかもしれないですけど、そんな話が出たとき自分は文字にできるので、1週間もしないうちにストーリーを書いたんです。そこからは、映像化する上で、どうすればより面白くなるか、お互いの世界観を磨きながら作っていきました。
Youtubeや個人の発信によって、今まではあるラインで良かったものが、そこでは収まらず、より刺激が求められるようになり、統制がとれなくなって混沌としてくる。それが今だと思います。私がやっているのは、情報を集めることではなくて、そのような時代に、情報を統制、メディアをコントロールするということです。そこで誰かに感謝されたり、会社が信用を失わずにすんだりしたことで、ビジネスになっていくわけです。
情報はあくまで先手であって決め手ではない。先手の情報は確かに武器にもなるけれど、時間をかければ誰にもわかることです。決め手ではない以上、単に情報が早いというだけでは、問題解決や人助けはできない。そこに、いわゆる町の情報屋とはワケが違うで、という自負はあります。
■今お聞きしたところ、沖田さんと主人公の木原とは重なるところがあると感じます。ご自身で、主人公の木原と似てるところ、違うところはどこだと思われますか。
小説家が10本、小説を書いたら、やっぱり似てるところがあると思うんです。“インフォーマ”木原慶次郎を主人公において書くときには、自分の経験や体験が無意識に絶対入ります。いわば、ここが似ているところになると思います。
違うのは、暴力的なところです。これは小説にするために超える一線であって、世の中でこれを超えるとマズイ(笑)。物語だからできる、映像だからできるところですよね。『この人、いざとなったらかかってくるんだろうな』という雰囲気だけでは物語は作れない。そのあたりが違うところでもあり、物語を作る面白味ですね。
■木原と沖田さんのもう一つの共通点に、尼崎出身という設定があります。今回のロケ地にもなっていますが、尼崎を取り入れているのはどのような思いからですか。
物語、作品を作る上で、生まれ育ったところで闘うというのが確実に強いわけであって、街の雰囲気とかわかるわけですよね。行ったことのない場所を書くこともあるし、取材してきて書くことで成り立つ作品もあると思うけれど、「圧倒したい」と思えば、明らかに、生まれ育って見てきた尼崎を使った方が良いよなと。
よく言うんですけど、地元愛とかは全くないんです。でも、尼崎で育った自分が物語を作ったとき、例えば今回のように映像になったとき、自分に対しての反響が一番大きいじゃないですか。知らない人よりも、知っている誰かに「頑張ってるね」とか「あれ面白かったよね」と言われることは、やっぱり嬉しいです。
もう一つ上の世界に行けば、初めて商業的なことを考えられるのかもしれないですけど、まだ自分が取材してまで外の世界を書こうというのはなくて。例えば、テレビを見たときに自分の地元が映っていると嬉しいじゃないですか。第1話で尼崎にある焼肉屋が登場しましたが、見た人たちに「あまが出てる」「あのあまの焼肉屋」と喜んでもらえる。
尼崎という闘える場所、自分にとって反響が一番大きい場所で闘って、すごい反応ももらって、作品が評価されて初めて、全国でも闘える、世の中でも通用するなと思っています。物書きとして作品を作る上で、そこはこだわりを持っているところです。
■作家は自分の作品を“わが子”、その映像化作品を“孫”のようなもの、という言い方をされるのをよく聞きます。沖田さんにとって小説と映像作品というのはどのような存在でしょうか。
デビューするまでの十数年間、評価されずただ書いていただけの時、お金ももらえない素人だけど、『やめたい苦しい、書くのがしんどい』という、プロの書き手と同じ思いを持ち続けるわけじゃないですか。そういうとき自分を鼓舞したのは、『これが映像化されたら』ということでした。それを励みにしてきたので、どっちがどうということはなくて、同等なんです。前作の「ムショぼけ」もそうですけど、今までに出した小説を映像化したのなら“孫”として思えるんでしょうけど、今回は映像にすることを決めて書いているので、言うならば、“陰”と“陽”のような関係でしょうか。晴れ舞台である“陽”が映像で、地道な作業である“陰”が小説を書くこと。でも、どちらにも係わるし、どっちも売れるため人気が出るために精一杯やります。書き終えたとき、やり終えた時、“もうできへん”というのは毎回あります。マラソンランナーと同じですよね。走り終わった時には「もう走られへん」となるけど、また走るっていう。
■今週はいよいよ第2話の放送となります。これからのドラマの見どころを教えてください。
ドラマの中で“神回”っていうのがあって。その回は急きょ作って、脚本の叩きも急きょ、自分が書いて。監督はじめスタッフにも、俳優部にもそういう“温度感”がありました。ドラマを見た人が「まだ仕掛けてくんねんな」というような内容になっています。
小説を読んでからドラマを見ていただいても「あ、こうしたかったんだな」というのがマッチングできて、さらに“神回”っていうのがわかってもらえると思います。そこが見どころでしょうか。
1話1話がすごくクオリティが高いので、それすら忘れて見てしまうぐらいだと思いますが、終わってしまった後、振り返ったときに、「あ、これを言ってたんだな」というのがわかってもらえると思います。
【番組ホームページ】 https://www.ktv.jp/informa/
◆前回の放送を見逃した方、もう一度見たい方はコチラから
【カンテレドーガ】 URL
https://ktv-smart.jp/series/index.php?key1=5260
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