熊本県は19日、2012年7月の九州北部豪雨で氾濫した阿蘇市の黒川の治水対策で、県が国の激甚災害特別緊急事業(激特)の指定を受けて進める宅地かさ上げ工事が、本年度中に対象全戸で完了すると明らかにした。

 宅地かさ上げは対象160戸のうち141戸(88%)と契約し、うち93戸(58%)で工事が完了。黒川の上・下流域に位置する中通や狩尾地区などで、1・5〜2メートルのかさ上げを進めている。

 一方、激特の中で最大規模の工事となるのが、内牧地区の浸水対策として上流2カ所で整備する遊水地。手野地区の進捗[しんちょく]率は81%で、来年の梅雨時期にも間に合わない見通し。豪雨前から計画していた小倉地区は92%で本年度中に完成する。県は「手野遊水地の用地買収は済んでおり、水をためるための堤防部分だけでも本年度中の完了を目指す」としている。

 県によると、5月末時点の黒川治水に対する激特全体の進捗率は83%。本年度末までに9割を目指している。同日は九州北部豪雨から5年を前に、県阿蘇地域振興局が報道陣へ現場を公開した。(中尾有希)