熊本県南阿蘇地域の「ランドマーク」が熊本地震の影響で姿を変えている。西原、南阿蘇両村にまたがる俵山の風力発電用の風車13基が、地震の影響で1基を除き発電を停止。多くの風車が基礎部分を損傷し、7基は羽根と発電機部分を外して柱だけが残されている。

 13基のうち、西原村にある10基(出力計1万7500キロワット)は、電源開発(Jパワー、東京)の子会社「ジェイウインド」が運営。南阿蘇村の3基(同計1800キロワット)は、日立キャピタル(東京)などのグループ会社「春木が岡風力発電」が運営している。

 電源開発によると、西原村の10基は地震後に発電を停止。検査の結果、多くの風車の基礎部分にひび割れが見つかった。被害が確認されなかった1基は3月末に発電を再開したが、残り9基の再開時期は未定。ひび割れが目立つ7基は、落下防止のため羽根などを地上に降ろしたという。

 同社は「早期復旧に向け、専門家の意見を聞きながら補修方法を検討している状況」と話す。

 日立キャピタルによると、南阿蘇村の3基は、地中のくいなどが損傷。1基は支柱に亀裂が生じた。同社は「地震は想定外だった。風車の撤去も検討せざるを得ない」としている。

 西原村には村内外から「風車はいつ回るのか」との問い合わせが何件も寄せられているという。村企画商工課の村上康成主事(30)は「風車は村の象徴。環境学習の拠点でもあり、早期に運転再開してくれればうれしい」と話していた。
 県によると、県内にはこのほか、阿蘇市や小国町などに6カ所計12基の風力発電用の風車があり、いずれも発電を再開している。(植山茂)