熊本の夏の夜を彩る「出水神社薪能」が5日、熊本市中央区の水前寺成趣園にある同神社能楽殿で開かれた。舞台が明かりで闇に浮かび、県内外の能楽師らが仕舞や能をみやびやかに演じた。

 在熊の金春松融会が1960年から毎年奉納している。今年で58回目。

 地元の出水中と砂取小の子どもたちによる仕舞「竹生島[ちくぶじま]」で始まり、同会の能楽師らが狂言「鬼瓦」などを披露した。辺りが暗くなった午後7時半ごろ、神社本殿でおこした火をかがり火の薪[まき]に移す「火入之式[ひいれのしき]」。台風5号接近に伴う強風のため、儀式の後はLED照明に切り替えた。

 メインの能「嵐山」は、桜が咲き誇る京の嵐山が舞台。シテ(主役)の蔵王権現ら3柱の神が、春をことほぎ華やかに舞う。シテの能楽師が、桜の生命力を象徴するような力強い所作を見せ、観客を楽しませた。(國崎千晶)