熊本市在住の作家坂口恭平さん(39)と解剖学者養老孟司さん(79)=神奈川県鎌倉市=のトークイベントが6日、熊本市中央区上通町のオモキビル跡地であり、土地の所有や空間の価値について意見を交わした。

 坂口さんが企画した、街中に緑豊かな交流空間を作り出すプロジェクト「モバイルハウス計画in上通り」の一環。2人はこれまで雑誌などで対談しており、坂口さんの招きに養老さんが応じた。

 跡地に自ら造った2階建てモバイルハウスについて、坂口さんは「市役所に『可動産』と申請して認められた。だれでも造れる。不動産である建物を建てることが非効率」と紹介。養老さんは「空間や土地は人によって価値が違う。今はこれらを生かすにはどうするかという考え方が足りない」と指摘した。

 ハウスを造り始めると「すぐに虫や野良猫がやって来た。人間と同じ空間に生きているのに、土地の所有権の感覚がない」と坂口さん。2人は現代のルールや思い込み、数字に縛られず、自分で考えることや疑問に思い続けることの大切さをユーモアを交えて話し、集まった約120人を魅了した。
(飛松佐和子)