熊本地震の被災者を対象とするローンの減免制度で、債務整理に必要な「特定調停」の成立が最近になって急増し、100人超に上っていることが県弁護士会のまとめで7日、分かった。対象となる債務の範囲などが固まり、手続きが進みやすくなったためとみられる。

 同制度は、全国銀行協会が昨年4月に運用し始めた「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に基づき、熊本地震で初適用になった。地震の影響で返済に困ったり、住宅再建に伴う新たな借金で二重ローンに陥る恐れがある人などが対象となる。

 同制度の利用を希望する個人や事業主は、最も多額を借り入れている金融機関に申請。弁護士など「登録支援専門家」の助言を受けて手続きを進め、簡易裁判所に特定調停を申し立てる。

 県弁護士会によると、7月21日現在で663人が制度の利用を依頼し、106人の特定調停が成立。預貯金や資産を保有するなど条件にそぐわない202人が取り下げた。

 同ガイドラインに沿った減免は前例がなく、対象債務の範囲などの確定には金融や行政の各機関との調整に時間を要した。最近になって環境が整ったことから、成立が加速しているという。

 同制度を利用せずに新たに借り入れた場合は「支払い困難」とは見なされず、救済されない恐れもあるという。榎崇文弁護士は「時間がたつと、返済と地震との関連が不明確になる。早めに相談してほしい」と呼び掛けている。県弁護士会TEL0120(587)858。(山口尚久)