1958年に編さんが始まり、県の財政再建の中で長く休止状態だった「県議会史」の第8巻が23年ぶりに刊行された。県議会が発足した明治初期から75年までの歩みで止まっていた作業が、再び動き始めた。

 県議会史は63年に第1巻が刊行され、編さん開始から94年までの36年間で第7巻まで出されたが、県の財政再建のあおりで中断した。2012年の県議会改革・活性化検討会で再開を求める声が上がり、13年夏に猪飼隆明・大阪大名誉教授を議長にした第8巻編集会議を設置。猪飼議長を含む大学教員ら計7人が執筆に当たってきた。

 ただ、終盤に熊本地震が発生。大半の執筆者が被災しながら作業を続け、途中、執筆者の体調悪化による交代や病死もあり、予定より3カ月遅れの今年6月に刊行された。

 第8巻は75年4月〜87年4月の12年間を収録。知事は故沢田一精氏の2、3期目、細川護熙氏の1期目に当たる。猪飼議長は「知事が交代した上、チッソ県債など水俣病問題が佳境に入り、川辺川ダム建設も具体化するなど、県政の中で大きな動きがあった時期。地方自治そのものを考えさせられる歴史が収録されている」と話している。

 議員提出議案などを収録した資料編も作成。県議会事務局は「執筆者の先生方の努力で刊行は3カ月遅れにとどまった。今後は計画的に刊行していきたい」としている。(浪床敬子)