県は8日、熊本地震復旧工事で落札者が決まらない「不調・不落」問題への対応で、地震など災害復旧関連の一般競争入札に限り、これまで認めてこなかった「1社応札」を解禁し、1業者のみの参加で入札成立を認めると明らかにした。16日から適用する。通常工事や指名競争入札の1社応札は引き続き、不成立(不調)とする。

 1社応札は競争性が働きにくい弊害が指摘されているが、岩手、宮城、福島など東日本大震災の被災県をはじめ、36都道府県と国の工事では、参加者が限定されない一般競争入札で「有効」としている。

 ただ、県内では2012年の九州北部豪雨の災害復旧工事を中心に1社応札による高値落札が続出。このため県は入札ルールを改正し、13年5月から1社応札を再入札の対象としていた。

 県は今回、1社応札の解禁期間を「当面の間」とし、公正性と競争を確保するため「不自然な入札が増えれば不成立に戻す」としている。県監理課は「市町村分も含めて復旧工事は増加しており、これ以上の不調・不落を防ぐには1社応札を認めざるを得ない」としている。

 県はこのほか、被害が大きい上益城、阿蘇、熊本の3地域の一般競争入札で従来の総合評価に加え、一部に価格のみで競う方式も導入。業者と県の入札手続きを簡素化し、工事の迅速化を図る。人手不足の解消でも、業者の現場責任者が1人で済むよう近場の複数工事を集約する仕組みを採用する。

 県発注工事では、入札者がゼロか1社の不調や、入札額が上限価格を上回る不落の割合が今年5月に50%に達するなど、17年度も上昇傾向。復旧・復興の遅れを懸念する声が出ている。(太路秀紀)