熊本地震の本震で車ごと土砂崩れに巻き込まれ、約4カ月後に遺体が発見された熊本県阿蘇市の大和晃[ひかる]さん=当時(22)=の家族3人が9日、遺体発見から10日で1年になるのを前に、発見現場の黒川を見下ろす新阿蘇大橋の工事現場を訪れ、花を手向けた。

 晃さんは昨年4月16日未明、国道57号を車で走行中に阿蘇大橋付近で発生した山腹崩壊で行方不明となった。以来、家族が一帯を捜索し、橋下流で土砂に埋まった車を発見。8月11日に車内から遺体が収容された。

 家族の要望を受け、国土交通省が南阿蘇村立野で進める工事現場への立ち入りを許可。父卓也さん(59)と母忍さん(50)、兄翔吾さん(25)が対岸から現場を見下ろし、黄色の花束やお茶、折り鶴などを投げ入れた。

 卓也さんは「現実を受け止めるのはまだつらいが、現場の環境が変わっているのも感じた。けじめをつけていくためにも、節目に訪れることができありがたい」と話した。(中尾有希)