肥後銀行は10日、銀行の窓口機能や現金自動預払機(ATM)を備えた移動店舗車を導入すると発表した。九州の地銀では初めて。10月半ばから2台で運用を始める。地域振興と熊本地震からの復興に活用する考えで、支店が近くになく高齢者の多い地域や仮設住宅などを回り、地域住民へのサービスを充実させる。

 当初は宇城市の三角や松合地区などと、地震の被災地を1台ずつ巡回する予定で、ルートを最終調整している。

 事業継続計画(BCP)強化も狙いの一つで、災害時には被災地に駆けつけて支店機能や情報提供、電源供給などの役割を果たす。イベント会場などでの活用も検討する。

 同行によると、移動店舗車は5トントラックを改造したもので、全長約8・7メートル。ATM1台のほか、窓口と同じ機器を搭載。行員2人と運転手が乗り、口座開設や預金預け入れ、引き出し、振り込みのほか、ローンなどの相談にも対応する。

 発電機や自動体外式除細動器(AED)、車いす利用者向けのリフトも装備。車体側面に60インチの液晶ディスプレーを備え、災害情報などを流すこともできる。投資額は非公表。

 名称は「HarmoniCar(ハモニカー)」。ハーモニー(調和)とカー(車)を組み合わせた。特殊車両メーカーのイズミ車体製作所(大津町)で製造を進めている。(辻尚宏)