入場者の減少などから、今年12月末で27年の歴史に幕を下ろす北九州市のテーマパーク「スペースワールド」。“最後の夏”を迎え、閉園を惜しむ若者や家族連れで連日にぎわっている。園側も、人気の企画や園の軌跡を振り返るイベントを展開し、ファンの期待に応えようと奮闘している。

 3連休初日の11日、入り口には開園を待つ長蛇の列が。山口県周南市から家族4人で訪れた石田万里江さん(35)は、毎年夏休みに家族で来て、入り口近くの決まった場所で子どもの写真を撮るのが恒例だったという。「子どもの成長を実感できて楽しかった。閉園は寂しい」。熊本市東区から家族や親戚6人で訪れた山崎昌一さん(47)も「高速道路から見えるスペースシャトルがなくなるのは残念」と惜しんだ。

 園内では、人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの世界観を体験できるイベント「ガンダムワールド」が9月3日まで開催中。これまでに3回実施し好評だったことから、最後の夏に親子で楽しんでもらおうと、急きょ企画に加えた。

 園中央付近の「スペースドーム」では、開園当時のショーの台本や園の年表パネルなど100点余りを展示する「27年間のあゆみ展」が開かれている。福岡県筑紫野市の会社員大塚由利子さん(45)は「開園当時、両親と妹と来た時のことを思い出す」と懐かしそうに年表の記述をたどっていた。

 昨年12月の閉園公表以降、閉園を逆手に取ったユニークなPR作戦も話題を呼んでいる。

 「なくなるよ! 全員集合!」。沈痛な面持ちで整列するスタッフ一同が一転、笑顔になり、どこかで聞いたようなフレーズを叫ぶテレビCM。園内を水着のまま回れる特別期間「ザ・ファイナル・サマー」(8月末まで)のキャッチコピーは「ぜんぶ、水に流そうぜ!」だ。

 「閉園するからといって暗くならず、クスッと笑ってもらいたい」と担当者。5月の大型連休ごろから客足が伸び始め、CM効果もあり、夏休みに入って勢いがさらに増しているという。

 オープン当時から勤務するPR課の柴田耕司さん(62)は「お客さまから閉園を惜しむ声をもらい、愛されていると改めて実感した。涙が出るほどうれしい。最後まで気を抜かず、お客さまに楽しんでもらいたい」と語った。(亀井悠吾)