阿蘇中岳第1火口の見学再開を見据え、阿蘇火山防災会議協議会(会長・佐藤義興阿蘇市長)は15日、火山ガス濃度が基準値を超えた想定で火口周辺の観光客を避難誘導させる訓練を実施した。

 一昨年の爆発的噴火で駅舎が被災した阿蘇山ロープウエーは運休が続き、再開後は代行バスや乗用車での見学が中心となる。ガス濃度が基準値を超えると、火口から1キロ離れた阿蘇山上広場まで車両での下山を促すが、混雑を避けるため、阿蘇山上事務所の監視員が車両台数を常時確認。代行バスも火口広場に待機させる。

 訓練は、火口見学エリア全域でガス濃度が基準値の5ppmを超え、3人の体調不良者が出た想定で、監視員ら約30人が参加。ガス検知器のランプが赤く点灯し、ガス濃度の高まりを知らせる放送が流れると、監視員が観光客を乗用車やバスへ誘導。自力歩行できない客は火口監視所へ担ぎ込んで救護し、救急車で搬送した。山上広場ではゲートを入場規制した。

 草津白根山噴火のケースもあるため、福岡管区気象台から火口の異変を伝える臨時火山情報が発表されたとの想定でも訓練した。佐藤会長は「訓練で感じた課題や改善点は協議会の臨時会で共有し、より安全な態勢で見学を早期再開できるよう対応していく」と話した。(中尾有希)