ふるさと納税で寄附をすると、額に応じて所得税と住民税が戻ってきます(控除されます)。
そのための手続きの一つが確定申告。
今まで行ったことのない人にとっては難しいイメージがあるかもしれませんが、ふるさと納税の申告だけなら案外簡単。
ファイナンシャルプランナーの中村芳子さんに解説してもらいました!

ふるさと納税の仕組み

そもそも、ふるさと納税とは、好きな自治体・応援したい自治体に寄附をすると、自己負担額の2,000円を引いた全額が、税金(住民税・所得税)から控除される制度。
さらに、寄付をした自治体からお礼として地域の特産品などがもらえるところが大きな魅力となっています。
ふるさと納税の基本については下記の記事に詳しくまとめていますので、ご覧ください。
https://kurashinista.jp/column/detail/3746

ふるさと納税で確定申告が必要なケースは?


そもそも確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得を確定して申告することで、税金の金額を決める手続きのこと。
会社員、公務員などの給与所得者は、税金の手続きはふつう勤務先がやってくれるので、確定申告の必要はありません。給与所得者で、寄附先が5自治体以内の場合は、『ワンストップ特例』が利用でき、確定申告の必要はありません。
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確定申告が必要なのは、次のようなケースです。
●ふるさと納税の寄附先が6ヶ所以上の人
●フリーランスや自営業など給与所得者以外でもともと確定申告が必要な人
●給与所得者でも以下のような理由で、確定申告をしなくてはいけない人
 1 年収が2000万円以上の人
 2 2ヶ所以上から給与をもらっている人
 3 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)などふるさと納税以外の控除を受けるため確定申告をする人
 4 年の途中で退職したり転職したりした人 ­

ふるさと納税は、“納税”と付いていますが、実際は地方自治体への寄附。
中村さんによると、「寄附した先の自治体から届く『寄附金受領証明書』を添えて確定申告をします。すると、ふるさと納税で寄附したことが証明され、寄附金額から2000円を引いた分の税金が安くなります」とのこと。

確定申告をするメリット

確定申告をする大きなメリットは、「所得税と住民税が控除されること」です。
所得税と住民税では、次のような違いがあるので、押さえておきましょう。
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・所得税は還付される⇒実際に現金が戻ってきます
・住民税は控除される⇒翌年6月から1年間に渡って、住んでいる自治体に支払う金額が安くなります
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具体的に、10,000円のふるさと納税を行った場合(所得税率10%の場合)を見てみると…
 所得税は(10,000円−2,000円)×10%=800円が還付金として振り込まれます。
 住民税は(10,000円−2,000円)×90%=7,200円が翌年の住民税から減額されます。

合計8,000円分が控除されることになります。
これは金額が大きくなっても同じ。人によって控除に上限はありますが、寄附金額から2,000円を引いた分はすべて控除される仕組みです。
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また、ふるさと納税の寄附先が多い場合は、確定申告をすれば、一度の手間ですむこともメリットの一つですね。
寄附先が5自治体以内でワンストップ特例が利用できる場合でも、寄附回数が多いときは、確定申告をしたほうが手間が省けることも。

確定申告の流れ

「確定申告というと難しく聞こえるかもしれませんが、ふるさと納税の申告だけなら意外と簡単。最近ではわざわざ税務署に行かなくてもインターネットで確定申告書を作成できるので便利です」と中村さん。
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確定申告の手順は以下の6ステップ。

1.申告方法を選ぶ
申告方法には次の3つがあります。
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①税務署や市区町村、確定申告相談所などで確定申告書をもらい、自分で記入して税務署へ提出。提出は郵送でも可。
②国税庁のホームページから申告書をダウンロードし、プリントアウトして提出。持参でも郵送でも可。
③e-taxでオンラインで提出
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①が今までもっとも一般的でしたが、手間がかかるので利用者は減ってきているようです。
一方で、②はインターネット上で確定申告書を作成して印刷したものを郵送するため手軽さが受けています。
③のe-taxはマイナンバーカードを取得したり、ICカードリーダーを準備する必要があるので、手を出しにくいかも。ただ、平成29年1月からスマホ(Android)でも使えるようになり、実用的になりつつあります。
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今回は、もっとも利用者の多い②のインターネットで作成する方法について紹介します。
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2.必要書類を準備
確定申告するにあたり、必要な書類を用意します。
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・源泉徴収票
・ふるさと納税した自治体から届いた「寄附金受領証明書」
・金融機関口座番号(還付金受取のための)
・印鑑
・「個人番号確認の書類」と「本人確認の書類」の原本またはコピー
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ふるさと納税すると寄附した自治体から届く寄附金受領証明書は必ず保管しておきましょう!これがない税金が控除されません。
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3.確定申告書の作成
国税庁のホームページの確定申告書作成コーナを開き、パソコンの画面上でデータを入力して申告書を作成し、プリントアウトします。

国税局HP『確定申告書等作成コーナー』
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申請書の画面に、源泉徴収票と寄附金受領証明書の内容にしたがって順番に入力していきます。
寄附先が複数ある場合は、すべて入力しましょう。
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5.申告書を提出
入力して確定申告書が完成したら、印刷して管轄する税務署へ郵送します。もちろん、税務署へ持っていって提出するのでもOKです。

確定申告の受付はいつから?

確定申告の受付期間は2月半ばから3月半ばの約1か月間です。
2018年(平成30年)は、2月16日(金)〜3月15日(木)が受付期間となります。
毎年期限ギリギリの3月15日に提出する人が多いので、税務署は混雑します。同時に手続きにも時間がかかるため、還付金の戻りにも時間がかかる傾向があります。早めの提出を意識しましょう。

もし確定申告を忘れてしまったら


ふるさと納税の確定申告をうっかり忘れてしまったら、税金の控除は受けられない?
いえいえ、大丈夫です。給与所得者が税金を還付してもらうための還付申告(ふるさと納税もこれに含まれる)は、1月から受け付けられ、過去5年まで遡って申告することが可能。
つまり2017年のふるさと納税についての還付は、2022年3月15日までに申告すれば還付をうけられるということです。
ただし、所得税と住民税が控除される時期は、確定申告を行った時期によって変わってきます。
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複雑そうに思える確定申告ですが、一度やってみれば案外簡単にできるもの。
忘れずに行い、しっかりと税金の控除を受けましょう!
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【監修者プロフィール】
中村芳子◎ファイナンシャルプランナー。有限会社 アルファアンドアソシエイツ 代表取締役。家計診断や、複雑な金融や保険をわかりやすく解説する記事や講演に定評がある。女性向けのマネー相談も人気。『いま、働く女子がやっておくべきお金のこと』(青春出版社)、『お金が貯まる人 たまらない人』(ダイヤモンド社)などお金に関する著書も多数。
中村さんのサイト『いま、やっておくべきお金のこと』はこちら

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取材・文/長沼良和
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